TSAグループは、全社的な情報流通改革を目的に、Slackのコラボレーションハブ「Slack」を全社導入する。10月1日、Slackを提供するセールスフォース・ジャパンが発表した。全23店舗の情報基盤を構築し、本部と店舗間の情報共有を一元化することで、業務効率と生産性の向上を目指す。将来的にはSlackと「Sales Cloud」を連携させ、地域密着型の顧客体験の強化につなげる。
トヨタカローラ秋田と秋田トヨペットを傘下に持つTSAグループは、限られた人員で効率的な業務遂行が求められるなか、よりスムーズで生産性の高い働き方の実現に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。
従来、同社では業務の属人化や情報の分散により、必要な知見が部門間・店舗間で十分に共有されない課題を抱えていた。この状況を解消し、知識を全社的に活用できる強固な連携基盤を確立するため、透明性の高いコミュニケーションを可能にするSlackの全社導入を決めた。
導入により、情報検索時間の短縮や重複作業の削減、ナレッジの有効活用を目指す。これにより、業務効率の大幅な向上と全社員がシームレスにつながる知見共有の実現を期待する。この情報基盤を活かし、カスタマーサービス品質の向上と販売力の強化を推進する。
具体的な取り組みとして、従来社内ポータルやメールに依存していた本部と店舗間の情報共有をSlackに集約する。これにより、情報の見落としや重複を防ぎ、全社員がタイムリーに同じ情報を把握できる体制の構築を進める。
サービススタッフから本部への技術的な問い合わせはSlackで一元化して、ワークフロービルダーを活用し受付や担当者の割り振りを自動化する。これにより、迅速な課題解決とナレッジの蓄積を実現する。また、画像や動画を容易に添付できるため、現場の課題と解決策を本部と店舗が直感的に理解しやすくなる。
今後は、AI機能を活用し、高度な情報検索やナレッジ活用の効率化を推進する。「エンタープライズ検索」により、Salesforceをはじめとする複数システムを横断的に検索可能になり、過去の会話や問い合わせも容易に参照可能となる。これにより、属人的だった情報を全社で共有し、組織全体の知識活用を強化する。また、会話の要約や議事録作成をAIで自動化して業務生産性の向上も図る。
TSAグループは、運用ルールと定着計画の策定を経て、2026年春を目処に全社展開を予定している。SlackとSalesforceを連携させ、営業活動や顧客対応に必要な情報をSlack上で即座に呼び出せるようにする。営業担当者が顧客接点の情報をリアルタイムに共有して、部門を越えた連携をスムーズにする。AIを活用した情報基盤を全社的に広げることで、地域密着型の自動車販売における顧客体験の向上と持続的な成長を目指す。
TSAグループ 常務取締役管理本部長の山田浩伸氏は、「地域のお客様に質の高いサービスを提供するには、社員一人ひとりがより価値の高い業務に集中できる環境が必要だと考えている。Slackの導入は、情報が分散しアクセスしづらいというこれまでの課題を解決し、現場のスピードと精度を飛躍的に高めてくれると確信している」と述べている。