ユーザベースは、ITサービス管理(ITSM)と戦略的ポートフォリオ管理(SPM)を目的として、ServiceNowのプラットフォームを採用し、稼働を開始した。10月1日、ServiceNow Japanが発表した。個別に最適化されていた各種システムの課題を解決し、ガバナンス強化に向けた3段階のロードマップの第1段階を完了した。今後は、全社共通プラットフォームとしての活用を拡大し、従業員エクスペリエンスとIT組織の生産性向上を目指す。
ユーザベースは「スピーダ」や「NewsPicks」といった経済情報プラットフォームを企画、開発、運営している。2023年2月の株式非公開化を経て再上場を目指す中で事業改革を推進しており、その一環として2024年7月よりITガバナンスの強化に取り組んでいる。従来、業務で利用する各種システムが個別最適となっており、これが大きな課題となっていた。
ガバナンス強化の要素として同社は「プロジェクト管理の標準化」「既存ワークフローのリプレイス」「業務で使用する各種アプリケーションとの連携」の三つのフェーズを設定。ServiceNowを全社共通のプラットフォームとして活用することを決めた。
今回稼働を開始したのは、その第1段階にあたるServiceNowのITSMとSPMだ。ITSMはITサービスの運用プロセスを標準化し、品質を向上させるソリューションで、SPMは企業の投資計画や予算、プロジェクトを統合管理し戦略目標の達成を支援する。
第1段階の導入プロジェクトはJSOLが担当し、同社の独自ソリューション「J's X QuickWin」を活用した。このソリューションは、JSOLがServiceNowプロジェクトで培った導入方法論に基づいて開発したもので、ServiceNowの機能や補助機能を早期に導入することを可能にする。これにより、プロジェクト開始から1年未満という短期間での効果検証を実現した。
今後の第2段階以降では、現在利用している社内コミュニケーションツール「Slack」をフロントシステムとして活用しながら、インシデント管理や予算・プロジェクト管理など関連する業務ワークフローの集約を進める。さらに、IT資産管理やデータハブ基盤などを含めた全社共通プラットフォームとしてServiceNowの活用範囲を広げていく。これらの取り組みを通じ、全社的なガバナンス強化に加え、将来的には従業員エクスペリエンスの向上とIT組織の生産性向上につなげる。