マネーフォワードは、ウェビナー配信の完全無人化による工数削減を目的に、イベント・ウェビナーマーケティングプラットフォーム「EventHub」を採用した。8月15日、EventHubが発表した。ウェビナーの準備から配信完了までにかかる工数を約4分の1に削減し、開催本数を約4倍に拡大させるなど、リード獲得におけるKPI達成に貢献している。
マネーフォワードは、個人向けのお金の見える化サービス「マネーフォワード ME」や、法人向けのバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」などを提供している。コロナ禍を機に法人向けのオンライン施策を強化し、顧客接点の手段としてウェビナーを本格的に活用してきた。リードナーチャリングの重要性が高まる中でウェビナーの開催本数の増加を検討したが、配信準備や運営対応にかかる工数の増大が課題となっていた。
そこで同社は、本来注力すべき企画やデータ分析といった業務に時間を割くために、「なるべく人手をかけずに、安定してウェビナーを配信できる仕組み」が必要だと判断。ウェビナーの完全無人配信を目指して、複数のツールを比較検討した結果、EventHubの採用を決定した。
選定にあたり、無人配信への対応や「Marketo」とのAPI連携、直感的な操作性に加え、コストの合理性を重視した。EventHubはこれらの条件を満たしていたことに加え、開催回数によって追加費用が発生しない料金体系であるため、コストを気にせず開催数を増やせる点を評価した。導入検討当初、社内には無人配信に対する懸念の声もあったが、トライアルで操作性や配信の安定性を確認し、不安を払拭した。
EventHubの導入で、ウェビナーの完全無人配信が可能となった。事前に収録した動画を自動で配信する擬似ライブ機能を活用することで、当日の人的工数をゼロにし、準備から配信までにかかる時間を約4分の1に短縮し、1回あたりの準備時間は10〜20分程度で完了する。これにより、複数日程での配信が定着し、ウェビナーの開催本数は月平均3本から11〜12本へと約4倍に増加した。
定量的な成果として、リード獲得のKPIも達成している。また、擬似ライブ形式で配信することで、申込者のうち約70%が視聴に参加し、視聴維持率も70〜80%を安定して維持できるようになった。これは、録画データをYouTubeで配信していた頃と比較して、参加率・視聴維持率ともに大幅に改善している。
マネーフォワードでウェビナー企画を担当する戸田光氏は、「EventHubの導入によって時間を生み出せたこと、そして安定的に配信本数を増やせたことは、KPI達成の非常に大きな成功要因の一つだった。生まれた時間的な余裕を活かし、これまで以上に企画や運営に力を注ぎ、より価値のあるウェビナーを届けていきたい」と話している。今後は、生成AIなども活用し、業務のさらなる効率化やデータ活用の高度化を図る。