サイバーエージェントは、デジタル広告領域におけるAIサービスの強化を目的に、オラクルのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」のAIインフラストラクチャーを採用した。7月8日、日本オラクルが発表した。優れたコスト・パフォーマンスを評価し、大規模なAI推論ワークロードに柔軟かつ経済的に対応できる基盤を構築した。今後は両社で連携を強化し、企業における生成AIの本格導入を共同で支援していく。
サイバーエージェントは、1998年の創業以来、インターネット広告事業で国内トップクラスの規模を誇る。研究開発組織「AI Lab」を中心に先端技術や研究力の強化にも注力しており、2023年以降、日本語大規模言語モデル(LLM)「CyberAgentLM」や、視覚機能を備えた大規模視覚言語モデル(VLM)などを次々と発表し、AIの社会実装を積極的に推進している。これらの技術は、同社が提供する広告クリエイティブ制作サービス「極予測AI」などにも活用されている。
同社は今回、デジタル広告領域におけるAIサービスのさらなる強化に向け、推論基盤としてOCIのAIインフラストラクチャーを採用した。選定にあたり、グローバルの主要なAI開発企業に広く採用されている実績に加え、他社のクラウドサービスと比較し優れたコスト・パフォーマンスを発揮、大規模なAIの推論ワークロードにも柔軟かつ経済的に対応できる点を高く評価した。
OCIのAIインフラストラクチャーは、NVIDIA製のGPUを搭載したベアメタルサーバーや仮想マシンインスタンスを提供する。AIのワークロードに最適化された高速ネットワークと高性能な並列ファイルシステムにより、データアクセスなどのボトルネックを解消、スケーラブルな実行環境を実現する。
サイバーエージェントの常務執行役員である内藤貴仁氏は、「サイバーエージェントは、AI技術の研究成果をビジネスに実装する力を強みとしており、オラクルのAIインフラやデータ・マネジメント技術との組み合わせにより革新的なソリューションを生み出している。特にAIを用いたサービスの推論基盤には、コスト効率に優れたOracle Cloud Infrastructureを活用しており、AIの社会実装を支える重要な土台と位置付けている。本連携を通じて、企業のAIエージェント活用と新たな価値創造に貢献していく」と述べている。
また、サイバーエージェントのグループ会社であるAI Shiftは2025年3月、企業専用AIエージェント構築プラットフォーム「AI Worker」において、OCI上で稼働する「Oracle Autonomous Database」を活用したソリューションの提供を開始している。
日本オラクルとサイバーエージェントは今回の連携強化を機に、生成AI導入を支援するツールとノウハウを共有し、AIエージェントの自律化やデータ検索ロジックの最適化といった技術的連携を進める。
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