プロロジス、データ活用で物流不動産戦略を高度化 分析基盤で意思決定を迅速に

2025年7月8日18:08|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 プロロジスは、リーシング(商業用不動産の賃貸を支援する業務)・開発・投資判断における意思決定の高度化を目的に「estie 物流リサーチ」を採用した。7月8日、estieが発表した。網羅的で最新の市場データを活用することで、競合施設の分布や賃料傾向、需給バランスを的確に把握し、より迅速で精度の高い意思決定につなげる。

 物流不動産の所有・運営・開発を手がけるプロロジスは、世界20か国で約6000棟、総面積約1億2000万平方メートルの物流施設を展開するグローバル企業だ。日本国内においても先進的な物流不動産のリーディングカンパニーとして事業を進めている。

 物流業界では、トラックドライバーの時間外労働規制強化に起因する「物流2024年問題」や、EC(電子商取引)需要の急増に伴う配送の小口化、労働力確保の困難化といった課題が顕在化している。こうした状況に対応するため、より柔軟で高機能な物流拠点の整備が求められているが、開発や投資の前提となる客観的なデータ整備は業界全体で十分とはいえない状況にある。競合施設の分布や賃料水準、需給バランスといった重要情報も、各社が独自に収集せざるを得ず、業界全体で共有できるデータ基盤が乏しかった。

 そこで同社は、開発・リーシング戦略を高度化するテーマの一環として、外部データの活用を検討。複数のサービスを比較した結果、estie 物流リサーチの導入を決めた。選定にあたり、常に更新される高精度なデータベースにアクセスできる点、情報の網羅性と最新性を評価した。また、操作が直感的で扱いやすく、現場担当者がストレスなく利用できるUIであることや、物件検索、分析機能に加えて、ターゲットエリアや企業リストの作成といったマーケティング用途にも対応できる汎用性の高さも決め手となった。

 estie 物流リサーチの導入で、これまで独自に収集していたデータが網羅的かつ最新の状態で手に入るようになった。競合施設の分布状況や賃料傾向を数クリックで可視化・分析できるため、日々の業務効率が向上したという。新規開発の検討では、エリアごとの既存ストックや供給動向を正確に把握した上で、計画の妥当性や他社との差別化戦略を議論可能となった。戦略立案に必要なデータへ即座にアクセスできる体制が整ったことで、チーム内の議論や判断も、より迅速かつ的確に行えるようにもなった。投資判断の場面でも、需給バランスや賃料推移といった定量的な根拠に基づいた、より精緻な検討を可能にしている。

 プロロジスは今後、物流施設が単なる保管・配送拠点から「物流全体の生産性を支えるハブ」へと進化していくことを見据え、定量的なデータに基づいた意思決定の重要性が増すとしている。将来的には、行政や企業、業界団体と連携しながら、物流業界全体のデジタル化とデータ整備・共有を推進していく考えだ。また、AIやシミュレーション技術の活用も視野に入れ、顧客との共創による開発プロセスの高度化にも取り組む。今回の導入は、現場の判断力や提案力を強化すると同時に、業界全体のデータ活用のあり方を一歩前進させる契機になると期待を寄せている。

ニュースリリース


#Prologis #estie #LogisticsRealEstate #RealEstateTech