京セラコミュニケーションシステムは、データセンターにおける電力使用量の可視化とセキュリティ強化を目的に、東京エレクトロンデバイス長崎の電力監視装置とラック電子錠システムを採用した。7月8日、東京エレクトロンデバイス長崎が発表した。電力使用量の可視化により、利用顧客に対する二酸化炭素(CO2)削減効果の提示を可能にし、脱炭素化の取り組みを支援するとともに、物理的なセキュリティの強化にもつなげている。
京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、2024年10月1日から運用を開始した「ゼロエミッション・データセンター 石狩」(ZED石狩)において、東京エレクトロンデバイス長崎(TED長崎)の交流電流監視ユニット「RMS-CU80」、接点監視ユニット「RMS-DIO80」、ラック電子錠システム「RMS-EL48R」を導入した。ZED石狩は、石狩湾新港洋上風力発電所と近隣の自社太陽光発電所の電力を組み合わせ、24時間365日、常時再生可能エネルギー100%で稼働するデータセンターだ。
KCCSは、ZED石狩の利用顧客が推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)やAI活用における脱炭素化の取り組みを支援するため、電力使用量を正確に把握し、CO2削減効果として提示する必要があった。同時に、データセンターとして高いセキュリティレベルを維持することも重要な課題だった。そこで、ベンダーロックインを回避しつつ、設備の拡張性や柔軟性、コストパフォーマンスに優れるという観点から、TED長崎の製品群の採用を決めた。
交流電流監視ユニットRMS-CU80とKCCSが自社開発した監視ツールを連携させることで、電力使用量をCO2排出量に換算、一般的なデータセンターと比較した場合の削減効果を可視化する仕組みを構築した。これにより、ZED石狩の利用顧客は、自社の脱炭素化への貢献度を具体的に把握可能となった。導入にあたりTED長崎が、メーカー固有の電流センサーとの接続可否調査や実機を用いた事前検証などの支援を行った。
セキュリティ面では、ラック電子錠システムRMS-EL48Rの導入が貢献している。同システムは国内外の複数メーカーの電子錠ハンドルに対応しており、1ユニットで最大48ラックの制御・監視が可能。これにより、入館時の証跡ログ取得に関わるコストを抑えつつ、将来の拡張性も確保した。サーバラックの物理鍵の貸し出しに伴う人的な運用負荷も抑制している。
また、サーバラックのブレーカー監視のために導入した接点監視ユニットRMS-DIO80により、ブレーカーの遮断による電力供給停止をいち早く検知可能となった。これにより、メンテナンス作業の効率化も実現している。TED長崎は、今後も同社製品群の提供を通じて、ZED石狩の安定運用とセキュリティ強化、電力利用の効率化を支援していく。
#KCCS #DataCenter #ZeroEmission #GreenIT #PowerMonitoring #EnergyManagement #IoT