第一生命保険は、生成AI技術を活用した新たなAI-OCRシステムを構築し、2026年4月24日から稼働を開始した。システムの設計・開発ベンダーとしてはヘッドウォータースを選定した。4月28日、ヘッドウォータースが発表した。免許証などの本人確認書類における文字認識精度を従来比で約20%向上させたほか、クラウド化によって運用コストを約50%削減した。
第一生命では、2020年から保険金や給付金の支払い手続きにおいてAI-OCRによる自動化を進めてきた。しかし、従来のオンプレミス型基盤がハードウェアの保守期限(EOS)を迎えることから、将来の拡張性や持続的な業務効率化を見据えた基盤刷新が急務となっていた。
新システムは、Microsoft Azure上の「Azure OpenAI」および「Azure Document Intelligence」を中核とするクラウド基盤へ移行した。ヘッドウォータースは第一ライフグループのIT中核会社である第一ライフテクノクロスと連携し、既存業務との連続性に配慮しながら、実運用に適したシステム構成とワークフローを設計した。
設計上の大きな特徴は、生成AIを活用した自動処理と人による確認を組み合わせた「Human in the Loop」のインターフェースを採用した点にある。これにより、帳票認識から結果反映までをEnd-to-Endで連携させ、膨大な処理量と高速処理に耐えうる実運用のワークフローを実現した。また、クラウドの特性を活かし、処理量に応じた柔軟な運用が可能になったこともコスト削減に寄与している。
今回のプロジェクトは、最新技術の導入にとどまらず、1年という短期間で業務プロセス全体へつなぎ込み、本番リリースまで完遂させた点が評価されている。第一生命は今後、この新基盤を通じて業務品質のさらなる向上と、安定的かつ持続可能なサービス提供を推進する。