アイディア、海事産業プラットフォーム「Aisea」のオープンAPI化をTISの支援で実現

2024年10月10日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 アイディアは、海事産業プラットフォーム「Aisea」のオープンAPI化に向け、TISの技術検証(PoC)を導入し、APIゲートウェイ開発環境を構築した。2024年10月9日、TISが発表した。

 海事産業は、システム化されていない業務が多く、データの網羅的な収集、整理が業界構造上容易ではないため、DX推進が遅れている。アイディアは、この課題を解決するために海事産業プラットフォームAiseaの提供を開始した。Aiseaは、舶用機器との連携をはじめ、気象などの各サービスベンダーや既存システムとの連携を可能にし、個別管理されていたデータを集約するシステム。集約したデータを横断的に活用して、海運業、港湾業、海洋土木業、造船業、舶用工業といった幅広い分野で業務の自動化や省力化、現場の可視化、安全性向上を実現し、海事産業のDXを実現する。

 アイディアは、Aiseaのさらなる普及を目指し、オープンAPI化を計画した。オープンAPI化で、これまで距離の遠かった海事産業とIT業界とをつなぐハブとなり、システム会社の参入障壁を下げ、業界におけるDXの成功体験を増やすことを目指す。

 アイディアは、オープンAPI化の計画にあたり、自社のAPI技術で単独検証する選択肢もあったが、海事DX推進に貢献するためにはスピード感とAPI利用者が慣れ親しんだ形での実装が重要と考えた。そのためニトリTISの幅広い業界の知見を評価し、API連携ビジネス活用支援サービスの技術検証(PoC)を導入した。

 選定にあたり、アイディアが採用を想定していたAPIゲートウェイ「Kong Gateway」に精通していること、幅広い業界における業務システムの支援実績があることを重視した。TISは、デジタル庁がAPI連携のコア製品として推奨するオープンソースソフトウェアKong Gatewayの取り扱い実績を持つ国内で数少ないベンダーであり、社内に専門部隊を設置し十分な経験値を備えていた。また、ミッションクリティカルな用途に対応したシステムの実績が多く、業務システムにおけるAPIの要求事項や活用事例など、ユーザー視点でフィードバックできるだけのシステム支援実績を持っていた。

 本計画では、アイディアがビジネス基盤として利用しているGoogle Cloud上にTISの技術検証(PoC)を利用してAPIGW開発環境を構築した。TISは、環境構築の際の技術課題を先回りで洗い出し、これまで手がけたクラウド上での開発環境構築の知見を生かした最適な構成を提案した。具体的には、Kong Gatewayを初めて利用するアイディアのエンジニアに向け、アクセス要求に対する適切な認証回数や、社外の開発者が権限を含めてコントロール可能にする設計方法などの助言、手順書を提供し、短期間での構築を実現した。また、TISがオープンAPI開発環境を支援したことで、アイディアのエンジニアのリソースをAiseaプラットフォームの機能、サービスのUI/UX開発に集中させられた。

 アイディアの取締役CSO/CFO鈴木智之氏は、「海事DXを実現するには、幅広い企業が海事産業にむけて、Aiseaプラットフォーム上のデータを活用したソリューションを展開することが効果的と考えており、オープンAPIによりこうした動きの活性化に貢献できると考えている。今後も、オープンAPIの本番公開に向けた設定のチューニングや基盤構成など、TISのナレッジに大いに期待している」とコメントしている。

 アイディアは、今後、オープンAPIの主な利用者として、新たに海事産業へ参入するシステム会社を想定している。

ニュースリリース