防衛装備庁は、AI技術を活用した防衛装備品(AI装備品)の技術的な審査体制の整備を本格化している。審査環境の構築や品質評価の実務を支援するベンダーとしてSHIFTを選定した。8月12日、SHIFTが発表した。すでに6月12日からプロジェクトを開始しており、人命や安全に直結する装備品の研究開発で、AI特有のリスクを管理できる環境を整える。
自律的に学習するAI技術は高度な予測や処理が可能となる半面、学習データの偏りによるバイアスや判断のブラックボックス化、予期せぬ誤作動といった技術的なリスクを抱えている。防衛省は2024年7月にAI活用推進の基本方針を定め、2025年6月には装備品の研究開発で遵守すべき「装備品等の研究開発における責任あるAI適用ガイドライン(第1版)」を策定した。これを受け、外局の防衛装備庁では、開発フェーズに合わせて同ガイドラインに基づく品質評価を実施し、リスク低減策が適切に講じられているかを技術的な観点から審査する体制の確立が急務となっていた。
こうした高度な審査を実施するには、AIの最新動向やセキュリティの知見に加え、システムの安全性確保や第三者検証の実績が欠かせない。防衛装備庁は、SHIFTがこれまで培ってきたソフトウェアの品質保証事業での豊富な実績や、AIシステムに対する高度な品質評価のノウハウを評価し、AI装備品の技術的審査を支援するベンダーとして選定した。SHIFTは2022年から防衛領域の事業に参入しており、2025年には同分野に特化したコンサルティング企業も設立した。国家安全保障や防衛領域の現場を深く理解している点も、厳格な技術要件を満たすとして採用の決め手になったという。
今回のプロジェクトでは、品質評価環境の整備から技術的な審査までをSHIFTが幅広く支援する。最終的な成果物として、環境の構築内容や審査支援の実績、改善に向けた検討結果などをまとめ、防衛装備庁へ提出する計画だ。