東急リバブルは、不動産情報のSNS投稿文章作成業務を効率化するため、生成AI(ChatGPT)を活用した独自の業務特化型システムを開発した。2024年11月5日、アルサーガパートナーズが発表した。システムは11月から運用を開始している。
近年、不動産業界においても、顧客とのコミュニケーション手段としてSNSの重要性が高まっている。しかし、多岐にわたる不動産情報を効果的にSNSで発信するには、物件の特徴を理解し、顧客の属性に合わせた表現で文章を作成する必要がある。従来、東急リバブルでは、SNS投稿を専門とする担当者が営業担当者の要望を受け個別に文章を作成していたため、投稿できる物件数に限りがあり、販促手段としてのSNS活用が十分にできていなかった。
東急リバブルは、今後増加が見込まれるZ世代の顧客への効果的な情報発信手段として、SNSへの効率的かつ適切な文章作成・投稿を実現するため、生成AI技術の活用を決めた。概念実証(PoC)の結果、生成AIが作成した文章は担当者がゼロベースで作成したものと遜色がなく、担当者が多少の修正を加えれば利用可能と確認された。新システムでは、不動産情報の読取・理解からSNS投稿文章の原案作成までを生成AIが担い、担当者はそれを修正する。これにより、1件当たりの作業時間が従来の45分から10分に短縮(約80%削減)され、SNS投稿件数を4倍程度拡大できた。
さらに、アルサーガパートナーズの生成AIとシステム開発の技術と知見で、生成AIへの指示(プロンプト)をすべてパターン化した選択メニューとして、専門性の高い属人的業務を汎用的な生成AIシステムで支援し、一般的な業務へと進化させることも目指す。他にも不動産広告表示に相応しくない表現などは「禁止ワード」として事前に登録し、自動的に排除する機能も実装して広告表示の適正化にも取り組む。
東急リバブルは、これまでもAIなどの先進技術を活用した業務変革に積極的に取り組んできた。今回は「生成AI活用プロジェクト」の第一弾としてSNS投稿文章作成業務の支援を開始したが、今後は法務、広報など文章を取り扱う幅広い業務領域への適用を進める。