ファインプラスは、物流センターのピッキング業務効率化をターゲットに、GROUNDの自律型協働ロボット(AMR)「PEER 100」を採用した。3月27日、GROUNDが発表した。少量多品種・高頻度出荷への対応力を強化し、ピッキング作業の総労働時間を従来比で約44%削減した。
千葉県成田市に拠点を置くファインプラスは、アパレル・ファッション業界に特化した物流アウトソーシング(3PL)事業を展開している。近年の消費スタイルの変化に伴い、取り扱うキャップアパレルブランドの商品が少量多品種化し、店舗向け出荷も高頻度かつ小ロットなEC運用に近い形態へと変化していた。この変化により作業者のピッキング歩行数が大幅に増加し、出荷業務がひっ迫する要因となっていた。
労働力確保の面でも課題を抱えていた。同社の物流センターは成田空港に近接しており、コロナ禍の収束とともに空港関連の需要が回復したことで、周辺の労働力が流出。特に熟練した人材の確保が困難になり、繁忙期に活用する時間雇用スタッフへの教育コスト増大や、生産性の不安定さが深刻化していた。
これらの課題に対し、数億円規模の投資を要する自動倉庫や棚搬送型ロボット(GTP)の導入は、コストや柔軟性の観点から現実的ではなかった。そこで、既存の現場レイアウトを活かしつつ費用対効果(ROI)を追求できる「実効性の高い投資」として、20台のPEER 100導入を決定した。国の「物流効率化先進的実証事業費補助金」を活用し、2024年12月からのテスト運用を経て、2025年1月から本格稼働を開始した。
選定にあたり、現場で使用する75Lサイズの折りたたみコンテナを積載できる筐体サイズを評価した。また、ランニングコストを抑えるためにオンプレミス・買い取りモデルを選択したほか、既設のWi-Fi環境を活用できる点も初期投資の最適化につながっている。
導入によりピッキング作業の生産性は、導入前の62.5行/hから145行/hへと向上し、目標としていた100行/hを上回る約2.3倍の成果を達成した。総労働時間についても、人員計画の見直しを含めて月間4800時間から2685.3時間へと大幅に削減。さらに、作業時間の短縮によりトラックへの貨物引き渡し完了時間が30分早まったことで、物流業界の課題である荷待ち時間の削減にも貢献している。
運用開始後も、現場の意見を取り入れたシステム調整などの迅速な対応が短期的な成果創出を支えた。ファインプラス代表取締役の横田智宏氏は、物流業界におけるDXは事業継続を左右する戦略的投資であるとした上で、最新のITソリューションをいち早く取り入れ、サプライチェーンの全体最適を推進し、顧客のビジネス成長をバックアップしていくと述べている。
今後は、現在一部の製品に適用しているAMRの稼働エリアをフロア全体へと拡大することを検討している。また、他拠点での活用や追加導入も視野に入れ、全社的な物流効率化を推進する方針だ。