社会保険労務士法人永松事務所は、労務トラブルや内部不正の調査業務を強化するため、簡易フォレンジックツール「EASY Forensics」を採用した。3月27日、製品を提供するリーガルデータが発表した。専門知識を要さずに客観的なデジタル証拠を迅速に収集・分析できる体制を整え、企業のリスクマネジメント支援の質を向上させる。
宮城県仙台市に拠点を置く永松事務所は、人事・労務管理の専門家として企業の労務問題解決やリスク低減に取り組んでいる。近年、労務相談の現場では、ハラスメントの事実確認や長時間労働の客観的な把握、情報持ち出しといった内部不正への対応など、相談内容が高度化・複雑化していた。
従来の社労士業務では、就業規則や帳票類に基づいた助言が中心であったが、それだけでは「実際に何が起きているのか」という事実関係を正確に把握することに限界があった。特にトラブル発生時の初動対応において、客観的な証拠に基づいた迅速な状況整理が課題となっていた。
こうした背景から、永松事務所はデジタル証拠を扱う体制の強化を検討。選定にあたっては、専門的な知識がなくても社労士自身が操作可能であることや、企業に対して調査結果を分かりやすく説明できる点を評価し、EASY Forensicsの導入を決定した。弁護士など他士業との連携がスムーズに行える点も採用の決め手となった。
導入により、証拠保全作業の効率化と作業時間の大幅な短縮を実現した。データの改ざんリスクを抑えた適切な証拠取得が可能になったことで、社内外への説明責任を果たすための客観的な資料整備が容易になった。これにより、従来は外部の専門業者へ依頼していた初期対応の一部を内製化でき、よりスピーディで柔軟な労務支援が可能となった。
実際の現場では、書類確認だけでなく業務実態を踏まえた監査が行えるようになり、顧問先からは現場の状況を理解した助言として高い評価を得ている。事実関係を整理した上で対応方針を協議できるため、トラブルの長期化や深刻化を防ぐ成果も出始めている。
永松事務所は今後、デジタルフォレンジックの活用を通じて、労務トラブルを「起きてから対応するもの」から「未然に防ぐもの」へと変えていく方針だ。事実を整理し状況を可視化することで、企業が冷静に判断できる環境づくりを支援し、持続可能な職場づくりに貢献していく。