ANA、次世代基盤にEquinix Fabric採用 ネットワーク構築期間を8割短縮

2026年8月10日12:00|ニュースCaseHUB.News編集部
x
hatebu

 全日本空輸(ANA)は、次世代の旅客サービスを支えるネットワーク基盤として、「Equinix Fabric」を採用した。8月6日、同製品を提供するエクイニクスが発表した。集中管理型のクラウドネットワークハブを構築し、アプリケーションの開発やテストに必要なネットワーク構築期間を約80%短縮したという。5年間の総保有コスト(TCO)を30%削減するという目標を掲げている。

 ANAは約280機の航空機を保有し、200以上の路線を運航している。同社は予約や搭乗、運航管理などの中核的な旅客サービスを支えるため、耐障害性を重視してデジタルインフラを整備・運用してきた。一方で、同社は年々事業が拡大し、ハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境の利用範囲も広がっている。従来のネットワークは個々のシステムに専用回線を用いる構造だったため、システムを拡張するにつれて管理の複雑さとコストが増大し、ビジネスの成長やデジタルイノベーションの阻害要因になっていたという。また、グローバルに流通するデータ量が将来的に10倍に増加すると見込まれており、柔軟で拡張性の高い接続モデルへの移行が急務だった。

 こうした課題を解決するため、ANAはEquinix Fabricを導入し、集中管理型クラウドネットワークハブへとアーキテクチャを再設計した。ソフトウェア定義型の同プラットフォームを活用し、追加の物理回線を敷設することなく、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloudといった主要なクラウドサービスへ安全かつオンデマンドで接続できる環境を整えた。

20260810_ana2.png
集中管理型のクラウドネットワークハブ(出典:エクイニクス)

 インフラ構築のスピード感が高まったことで、アプリケーションの開発やテスト環境を準備する期間は、従来の数カ月から数週間へと大幅に短縮された。また、クラウド環境間のシームレスな接続により、顧客サービスの統合やリアルタイムの運航連携、新サービスの早期展開が可能になった。

 ANAのデジタル変革室デジタルガバナンス部ITインフラチームでマネージャーを務める中里潤氏は、「急速な事業拡大に伴い、前例のない柔軟性を備えたネットワークが求められていた。既存の環境を拡張するのではなく、ネットワーク機能をサービスとして利用する形態への移行が唯一の現実的な選択肢だった」と述べている。この新たなネットワーク基盤を、高度なデータ分析や業務の自動化、次世代AIのワークロード処理などにも役立て、中長期的なデジタルイノベーションを推進したい考えだ。

ニュースリリース