東レは、基幹システムの刷新に伴うAPIの管理基盤として、Kongの「Kong Konnect」を選んだ。ERPやクラウドサービス、社内の独自業務システムとの連携に、すでに使い始めている。2028年度に予定する基幹システムの刷新を支え、グループ全体のAPIガバナンスの強化につなげる。10月21日、Kongが発表した。
東レは、ホストコンピュータの保守期限、技術者不足、維持コストの増加を背景に、データ活用や業務変革を支える、基幹システムの刷新を進める。ERPをはじめとする業務システムやデータ活用基盤は、クラウドサービスを中心とした構成への移行を進めており、APIファーストの方針のもと、従来のファイル連携中心のシステム間連携を、API中心の連携へ転換している。システムの刷新と、クラウドサービスとの連携の拡大に伴い、APIの増加が見込まれ、API連携の可視化、セキュリティポリシーの統一、運用の標準化が課題になった。
APIの開発の標準化を進めるとともに、増えるAPIを一元的に管理し、運用できる共通基盤として、Kong Konnectを選んだ。複数の製品を比べて、3点を評価した。一つ目は、APIの仕様と利用状況を、まとめて把握し、管理できる点だ。システムごとに分散していた、API情報と運用ルールを集約できる。二つ目は、API管理の専業ベンダーとしての知見と実績があり、特定のプラットフォームに依存しない、柔軟な連携基盤を作れる点。三つ目は、第三者機関から高い評価を受けていることに加え、AI活用やデータ連携の高度化など、将来の技術動向にも対応できる拡張性だ。現在は、主にERP、クラウドサービス、社内の独自業務システムとの連携に使い、相互TLS(mTLS)認証で、セキュアな接続を実現している。
今後は、2028年度に予定する基幹システムの刷新を支える基盤として使うとともに、各部門とグループ会社へ適用範囲を広げ、全社的なAPIガバナンスの強化と、連携体制の整備を進める。生成AIやAIエージェントの活用の拡大を見据え、LLM、社内データ、業務システムとの接続を集約し、認証と認可、流量制御、監査と可視化を共通化して、安全なAI活用を支える基盤への発展を目指す。
デジタルソリューション部門の坂井秀樹参事(統合システム推進部長)は、特定のプラットフォームに依存せず、多様なクラウドサービスやシステムをつなぎながら、セキュリティとガバナンスを統一できる点を評価する。今回の選定は、「将来のAI活用や新たなデジタルサービス創出を支える重要な一歩」と話す。