Astemoのハノイ法人、AI基盤でデータ分断を解消 見積と生産立ち上げを効率化

2026年6月24日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 Astemoのグループ子会社であるAstemo Hanoiは、キャディが提供する製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を採用した。6月11日、キャディが発表した。4社合併にともなうシステムや業務プロセスの分断を解消し、見積もりや生産立ち上げ業務における情報探索工数を削減した。今後は付加価値業務へのリソースシフトと現場のデジタル活用文化の醸成を推進する。

 Astemo Hanoiは電動パワートレインや先進シャシーなど四輪・二輪向けの幅広い製品をグローバルに手がけるAstemoのグループ企業として、ベトナムのハノイに製造工場を構え、現地の二輪車市場向けにサスペンションなどの部品を供給している。Astemoは、2021年に日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業が統合して誕生した。

 統合後も旧4社それぞれの設計開発ツールやERPなどのシステムが併存し、製品の企画から量産開始までのプロセスも旧組織ごとに異なったまま運用が続いていた。時間の節約を優先して各社のやり方をすべて盛り込んだ複雑な業務プロセスとなった結果、旧来のルールと新体制のルールの双方に対応せざるを得ず、現場の対応工数は実質2倍に膨れ上がっていた。さらに、ハノイ拠点では設計やコストに関する情報へのアクセスが難しく、必要な情報を見つけ出す手作業が本来業務を圧迫していた。

 こうした背景から、同社はベトナム二輪市場の成熟化を見据え、業務構造の抜本的な改善に向けてCADDiの導入を決めた。採用にあたり、図面の類似検索や関連情報の紐付けといった実用性の高さに加え、工場に直接足を運んで現場を理解しようとするキャディの姿勢や、製造業に対する深い知見を評価した。

 導入プロジェクトは生産技術、プロジェクトマネジメント、品質保証の3部門から開始した。CADDiの導入により、見積もりや生産立ち上げ業務における情報収集の工数が削減され、競合動向調査や顧客要求への高品質な対応といった付加価値業務に集中できる時間を創出した。品質保証部門では、トラブルのたびに肥大化していた検査項目を精査する余力が生まれ、検査工数の削減やAIを活用した承認プロセスの効率化が視野に入っている。また、当初はデジタル活用に消極的だった現場のメンバーが自発的にツールの活用を提案するなど、組織の意識改革にもつながっている。

 Astemo Hanoiのゼネラルディレクターである日熊慎太郎氏は、変革をためらうと現場が苦労を被り続けるため、失敗しても責任は自身一人という覚悟で導入を決めたと振り返る。現場担当者が時間の節約を実感したことでマネージャー陣の見方もポジティブに変化し、メンバーが自発的に活用を始めているとコメントしている。

 今後は、ハノイ拠点での成果を基に見積業務の全体最適化と生産立ち上げリードタイムの短縮を順次進める。将来的にはグループ拠点間でのデータ連携やグローバルサプライチェーンの可視化、在庫管理システムの共通化といった取り組みへ展開し、さらなるシナジーの創出を目指す。

ニュースリリース