パナソニックエレクトリックワークス池田電機は、多品種少量生産にともなう複雑な工程管理の効率化と生産計画の属人化解消を目的に、アスプローバの生産スケジューラ「Asprova」を採用した。6月22日、アスプローバが発表した。計画作成工数を2名分削減したほか、ラインごとの負荷率を可視化して稼働負荷の平準化と残業時間を削減した。
パナソニックエレクトリックワークス池田電機は、パナソニックグループの照明事業を支える電気機器メーカーで、LED照明用電源や照明制御装置などの開発と製造を手がける。最終完成品と管理対象の工程や品番を合わせると月間約700品番に及び、品種ごとに生産工程が変化する特徴を持つ。
従来は、最終完成工程の生産計画を人手で作成し、そのデータを生産管理システムに投入して機械実装から組立までの前工程の計画を自動生成していた。しかし、登録されたリードタイムに基づく計画は実態と乖離しやすく、設備の遊休や過負荷が発生していた。そのため現場で頻繁にスケジュール変更の調整を迫られ、生産遅延や残業が増加する原因となっていた。
こうした課題を解決するため、同社は生産計画プロセスの刷新と自動化に着手した。複数の製品を検討した結果、最も柔軟に制約条件を設定でき、現場の経験値を再現できる点を評価してAsprovaの採用を決めた。導入プロジェクトはリコージャパンとNSWの支援のもとで進められた。
導入にあたり、現場のベテランが持つ知恵を再現するために、サイクルタイムやリードタイムを厳密に数値化してマスターデータを整備した。基幹システムと連携するため、工具や治具、作業者などの副資源データを細かくマッピングする作業も実施した。運用前の総合テストでは2カ月間にわたり毎日ミーティングを行い、ロジックを固めた。
導入の効果、すべての工程を網羅した精度の高い計画が作成できるようになり、計画業務の工数を2名分削減した。また、1時間単位の細かな計画立案により工程間のつながりが可視化され、現場の具体的な指示や事前の準備がスムーズになった。さらに、ライン別の負荷率を見える化するカスタマイズにより、稼働の平準化が進み残業時間が減少した。2カ月から3カ月先の負荷予測も可能になり、早期の生産準備体制が整った。
今後は、現場の突発的な変動にも対応できるよう制約条件を微調整し、より使いやすい精度の計画づくりを目指す。さらに部材の手配業務への展開や、タブレットを用いた進捗のリアルタイム把握、自動調整機能の導入を進め、生産の最適化を推進する。