静岡銀行、日立の支援でAWS上に勘定系システム構築開始 クラウドファーストを推進

2024年9月10日13:30|ニュースCaseHUB.News編集部
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 静岡銀行と日立製作所は9月9日、パブリッククラウド上で稼働する勘定系システムの構築を開始したと発表した。2027年中にAWS上で本番稼働する予定。付加価値の高い金融サービスをスピーディーに提供するための基盤として活用するほか、業務継続体制の強化や消費電力の削減効果も見込む。

 静岡銀行は23年12月から、グループの全システムでパブリッククラウド化を最優先に検討する「クラウドファースト」に取り組んでいる。将来的には「データセンターレス」を目指しているという。一方、日立は社会インフラ企業のミッションクリティカルなシステムのクラウド移行などを得意とし、24年3月にはAWSと戦略的協業契約を結んでいる。

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静岡銀行のクラウド活用方針

 静岡銀行と日立製作所、AWSの3社は、オープン勘定系システムのパブリッククラウド化に向けた技術検証と効果検証を進めてきた。このほど検証を完了し、実現性が担保できたとして、正式にシステム構築を開始した。

 今回AWS上に移行するのは、静岡銀行と日立製作所が共同開発し、2021年に稼働したオープン勘定系システム。このシステムは「OpenStage」としてパッケージ化され、他の金融機関にも導入されている。オープン化により機能拡張をしやすくするとともに、アプリケーション構造を刷新して開発生産性や先進デジタル技術との親和性、柔軟性を高めたとしている。

 同システムをAWS上に移行することで、データセンター障害時や災害時でも業務継続がしやすくなり、バックアップセンター切り替え時のデータロストのリスクを抑えつつ切り替え時間を大幅に短縮できるという。大手クラウドベンダーの先進技術を活用したセキュリティ対策の強化という観点でも効果が期待できるとしている。また、温室効果ガス排出量の削減、安定的かつ機動的なリソースの追加、保守・運用作業の削減、オンプレミスに比べたコスト削減なども見込む。

ニュースリリース