トヨタ自動車、AWSで開発環境を標準化しエンジニア研修の構築時間を短縮

2026年6月18日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 トヨタ自動車は、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を活用し、ソフトウェアエンジニア向けのクラウドベースの統合開発環境を構築した。6月17日、AWSが発表した。研修参加者が即座に利用できる標準化された環境を整備したことで、従来は丸1日を要していたセットアップ作業を不要にした。今後は実開発業務への展開も進め、オンボードの迅速化と開発生産性の向上を両立させる。

 トヨタ自動車では近年、車両の高機能化や高度化に伴い、制御ソフトウェア開発を担うエンジニア人材の育成を強化している。同社のパワートレーン電子開発部は、開発基盤の整備とあわせてソフトウェアブートキャンプと呼ばれるエンジニア研修の運営を支援してきたが、参加者の増加に伴いトレーニング環境を安定して提供するための運用負荷削減が急務となっていた。

 従来、研修参加者は初日に各自のPCへ20種類以上のツールを個別にインストールする必要があり、環境構築だけで丸1日を費やしていた。また、数百台に及ぶPCの機種や性能が異なっていたため、手順通りに進めても正常に動作しないケースがあった。インストラクターが個別対応に追われ、カリキュラム運営以外の業務負荷が増大していたほか、研修に必要な性能を満たすPCの調達や管理も大きな負担だった。そこで同社は受講者全員が同一の環境ですぐに学習を開始できる仕組みを目指し、クラウドベースのデスクトップ環境(DaaS)の検討を開始した。

 複数のPoCを経て、同社は安全な研究開発環境を管理できるオープンソースのウェブポータル「Research and Engineering Studio (RES) on AWS」の採用を決めた。選定にあたり、AWSが提供するサービスの機能や品質だけでなく、同社の立場に立って課題解決を支援するAWSチームの伴走型サポートも決め手になった。導入に向けては、クラウド環境の構築を自動化するツールやマシンイメージの管理機能を活用し、仮想デスクトップ環境の標準化を進めた。

 同環境の導入により、200名を超えるエンジニアがツール設定に時間を取られることなく、初日からスムーズにトレーニングに集中できるようになった。従来は約6カ月を要していた高性能PCの調達自体が不要になり、受講者は仮想デスクトップを起動してから約10分で開発環境を利用できるようになった。これにより、これまで丸1日かかっていた環境設定作業が、ツールの基本的な使い方を習得する約2時間のオリエンテーションのみに短縮され、研修準備のリードタイムが削減された。インストラクターも個別トラブルへの対応から解放され、受講者への支援業務に注力できている。

 現在は、クラウド上に次世代のモデルベース開発環境を構築し、パワートレーン部門やコアエンジニアリング部門の製品開発へ同環境を展開する準備を進めている。研修と実業務で同一のツールやインフラを利用することで、エンジニアが実際の開発業務へスムーズに移行できる一貫した基盤づくりを目指す。

 トヨタ自動車パワートレーン電子開発部グループマネージャーの佐藤匡将氏は、「RES on AWSを導入したことで、参加者は統一された開発環境に直接アクセスでき、スムーズに学習を始められるようになった」とコメントしている。

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