三菱重工業、AWSと生成AIの導入により社内システムを内製化し業務効率化を推進

2026年7月1日17:06|ニュースCaseHUB.News編集部
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 三菱重工業は、限られたIT人材の有効活用と組織横断でのシステム開発推進に向けて、AWSの各種サービスおよび生成AIを活用した社内システムの内製開発を実施した。6月30日、内製化支援の技術パートナーであるサーバーワークスが発表した。インフラやバックエンド、AI領域の知見を補完する伴走支援を受けることで、社内のナレッジ共有と開発プロセスの迅速化を進めている。

 三菱重工業は世界屈指の重工業メーカーとして、エナジーや航空・防衛・宇宙などの幅広い分野でグローバルに事業を展開している。多岐にわたる事業部門が独立して運営される中で、各部門が個別にIT人材を十分に確保することが難しく、組織横断でデジタル化を支援する体制づくりが課題となっていた。また、長年にわたる顧客対応や作業依頼の管理が電話やメールに依存しており、対応履歴やナレッジが個人に偏り、業務が属人化している状況もあわせて解消する必要があった。さらに、昨今の生成AIの普及に伴い、各事業部門が独自にツールを導入することで個別最適化や、セキュリティおよび運用ルールの統制が効かなくなる懸念を抱えていた。

 これらの背景から、デジタルイノベーション本部が中心となり、全社共通のIT基盤をスクラッチで内製開発する方針を固めた。パートナーの検討にあたっては、過去に同社のコールセンターシステム開発でAWSの知見と高い技術力を示した実績が評価され、サーバーワークスが伴走パートナーとして起用された。

 今回の取り組みでは、二つの主要システムが構築された。一つ目は、顧客からの問い合わせを一元管理する「チケット管理システム」である。フロントエンドにNext.js、バックエンドにAmazon RDSやAWS Lambdaなどを採用し、ペアプログラミングを通じて三菱重工側のエンジニアがバックエンド技術を吸収しながら開発を進めた。二つ目は、2025年6月から着手した全社共通の「AIワークスペース」である。Amazon BedrockやAmazon Bedrock Knowledge Basesを活用してRAG(検索拡張生成)環境を構築し、社内ナレッジの検索や書類要約などの機能を提供している。

 導入にともない、チケット管理システムはまず一つの事業部門でリリースされ、1日最大50件近く寄せられる問い合わせの対応状況やステータスを一元管理できるようになった。これにより、設計や製造といった他部門との情報共有やエスカレーションが迅速化し、業務効率化を達成している。また、AIワークスペースは2026年4月に社員向けに先行リリースされ、2週間でアクティブユーザーが2,000人を超え、チャット利用回数は1万5,000回を記録した。現場から「働き方そのものを変えるほどのインパクトがある」と評価を得ており、すでに20以上の事業部門から導入相談が寄せられている。1週間スプリントのスクラム開発やAIを活用したバイブコーディングを取り入れたことで、社内の内製開発力やCI/CD自動化などの最新知見も向上した。

  今後は、チケット管理システムを他の事業部門へも展開できるよう汎用性を高める開発を継続する。AIワークスペースについても、AIエージェントによる各種申請処理の自動実行やデータ分析機能の拡張を進め、システム上で業務を完結できる環境を目指す。さらに、三菱重工グループ全体への展開と並行して、将来的には事業収益の向上に寄与する経営基盤へと発展させる。

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