ジンズ、Backlog活用で10年分のプロジェクト情報をナレッジ化 全社の協業基盤を構築

2025年10月27日21:19|ニュースCaseHUB.News編集部
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 アイウエアブランド「JINS」を展開するジンズは、ヌーラボのプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を導入した。10月27日、ヌーラボが発表した。全社的なプロジェクト運営を支える基盤としてBacklogを活用することで、システム開発から新店舗の立ち上げ、海外拠点の展開に至るまで、あらゆるプロジェクト情報を整理・共有している。その結果、10年分におよぶプロジェクトデータが会社のナレッジとして蓄積され、全社の連携と挑戦を支える仕組みとして定着している。

 ジンズは「Magnify Life(マグニファイ・ライフ) - まだ見ぬ、ひかりを - 」をビジョンに掲げ、アイウエアを通じて新しい体験価値の創造を目指している。デジタル活用による顧客体験の向上を推進する中で、開発、販売、店舗運営、研究など多様なプロジェクトを横断的に進める必要があった。そこで、社内外の関係者が共通のプラットフォーム上で情報を共有し、タスクを可視化できる環境を整えるためにBacklogを採用した。現在では、プロジェクトの複雑化を防ぎ、業務の進行状況を正確に把握できる仕組みとして活用されている。

 Backlogの導入により、ジンズは全社横断のコラボレーション基盤を構築した。システム部門をはじめとする各部署のメンバーがBacklog上で共通のプロジェクトを運営。国内外の拠点や協力企業を含む約1700アカウントが同じ環境で課題を共有することで、情報が分断されることなく、誰でも最新の状況を確認できる体制が実現した。部門をまたいだプロジェクトもBacklog上で進捗を追えるようになり、確認や報告にかかる手間が大幅に削減され、コミュニケーションもスムーズになっている。

 同社では、チャットなどのフロー情報とBacklogに蓄積するストック情報を明確に分けて運用している。短期的なやり取りはチャットで行い、後から参照が必要な内容はBacklogに登録するというルールを徹底。これにより、重要な情報が流れて埋もれてしまうリスクを防ぎ、抜け漏れのないプロジェクト運営が可能になった。また、システム部門では「バックログスイーパー」と呼ばれるメンバーが、課題の状態を定期的に確認し、コメントの整理やタスクの切り分けを行うことで、常に健全な状態でプロジェクトを運用できる環境を整えている。

 Backlogで積み上げてきたプロジェクト情報は、同社の大切なナレッジ資産として活用されている。新しいメンバーが業務を引き継ぐ際にも、過去の課題ややり取りをすぐに参照できるため、業務の再現性とスピードが格段に向上している。蓄積された膨大なデータをもとに、今後はAIによる知見の活用やリスク検知など、さらなる業務改善にも期待が高まっている。

 ジンズのグローバルデジタル本部 ITデジタル部の大間氏、佐藤氏、原島氏は、Backlogは同社にとって基幹システムの一部とも言える存在だとコメントしている。社員やパートナーを含む全員が同じ環境でプロジェクトを進められるようになり、進捗確認や報告などにかかる手間が減ったことを強調している。また、「今では、10年分のプロジェクトデータが社内のナレッジとして蓄積されている。過去の履歴を検索して再利用できることが業務効率の向上につながり、JINSの新たな挑戦を支える基盤になっている」と語る。さらに、「この膨大なデータをAIで解析・活用することで、より高度な業務改善や意思決定のサポートに生かせるのではないか。Backlogを通じて、ナレッジを蓄積するだけでなく、次の改善サイクルへとつなげていける仕組みを育てていきたい」との展望も示した。

ニュースリリース