コメリ、Bill Oneで年間7000時間の請求書業務を削減 月次決算の加速へ

2025年11月13日23:50|ニュースCaseHUB.News編集部
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 全国に1200店舗超のホームセンターなどを運営するコメリは、Sansanが提供する経理DXサービス「Bill One」を導入した。11月13日、Sansanが発表した。年間2万5000件以上におよぶ請求書の受領・処理をオンライン化し、データを一元管理する体制を整えることで、年間約7000時間の業務を削減した。これにより、経理部門は月次決算の締め日を早期化でき、ガバナンス体制の強化にもつながっている。

 コメリは、店舗運営や新規出店、建設関連の費用などに関わる年間2万5000件以上の請求書を受領している。従来は、これらの請求書の処理がすべて紙で行われていたため、各部門の担当者が、請求書の振り分けや開封、押印、回覧、仕訳伝票の作成・出力などに多くの工数を要していた。その結果、経理担当者への請求書到着が月末月初に集中し、支払遅延のリスクも抱えていた。こうした課題に対応するため、請求書の受領から支払いに至る業務プロセスをオンラインへ移行し、業務効率の向上とガバナンス体制の強化を図るべく、2023年8月にBill Oneの導入に至った。

 Bill Oneの導入により、請求書1件あたりの処理工数を約3分の1に短縮し、年換算で約7000時間の業務削減を実現した。Bill Oneでは、紙の請求書を取引先から代理受領し、99.9%の精度でデータ化してオンラインへアップロードする機能を持つ。コメリでは、Bill One上で請求書の確認、承認、会計処理に必要な仕訳まで行えるようになった。この効率化により、経理部門は月次決算の締め日を早期化し、より詳細な決算分析といった付加価値の高い業務に注力できる環境が実現した。

 また、Bill Oneで全社の請求書をオンライン上で一元管理できるようになったことで、ガバナンス体制も強化された。経理担当者は、各部門の請求書の受け取りや処理状況を把握しやすくなり、処理の遅延が生じた場合の確認や支援が可能になったため、支払遅延のリスクが低減された。監査や取引先からの問い合わせ対応時にも、各部門と経理部門の双方が過去の請求書をオンラインで容易に参照できるようになった。

 Bill Oneの採用において、経理専門ではない現場のスタッフにとっても使い勝手が良いかどうかが重要なポイントだった。コメリ 経理部 経理グループマネジャーの千葉敬介氏は、Bill Oneについて「稟議に必要な関連データを請求書データに紐付けられることに加え、請求書の承認者をオンライン上でその都度設定することもでき、現場の社員から『臨機応変に使いやすい』との声をいただいている」と評価している。導入当初は「紙の方が見やすい」という意見もあったが、「データの方が対応しやすい」という意識に多くの社員が変わってきていることを実感していると述べた。

 さらに、取引先にもBill Oneのアカウントを登録してもらうことで、取引先が請求書をオンラインにアップロードし、コメリ側ですぐに受け取れる仕組みも活用している。多くの取引先の賛同によりオンライン受領率は高い水準に上昇しており、業務スピードの向上に寄与している。

 同社は中期経営計画で、3年で100店舗以上の出店を目指しており、今後も新しい取引先や請求書が増加すると見込んでいる。千葉氏は「私たち経理担当としては、業務を加速させ、数値分析に更に時間を充てていくことが求められる」とし、「DXの効果は請求書が増えるたびに高まっていきますので、いかに早く着手できるかが鍵になると考えている。今後もBill Oneのサポートを受けながら、全社ひいては取引先も含めてDXの効果を更に拡げていきたい」と今後の展望を話した。

ニュースリリース