インフォマートは、利用企業数の拡大やデータ量の増加に伴い、より高い柔軟性と拡張性を持つクラウド環境への移行を目的に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」および「Oracle Exadata Database Service」を採用した。6月20日、日本オラクルが発表した。
インフォマートは1998年に創業し、請求書や受発注など企業間取引の業務効率化を支援するクラウドサービスを展開する。主力サービスである「BtoBプラットフォーム」は2025年5月末時点で115万社以上が利用しており、2024年度の総流通金額は62兆円を超える規模に成長している。特にフード業界で高い支持を得ており、企業間取引のデジタル化を支える重要なインフラとして広く活用されている。
従来のインフラは「Oracle Database」を含む大規模メインフレーム基盤で稼働していたが、利用社数の増加や季節変動による負荷の増減に柔軟に対応できないこと、データセンター関連コストの高止まりが課題となっていた。こうした事業環境の変化を受け、インフォマートはシステム基盤の再構築を決定した。
インフォマートは、利用企業数やデータ量の増加に柔軟に対応できる拡張性、コスト最適化、そして高いパフォーマンスの維持を重視し選定した。特にOCIおよびOracle Exadata Database Serviceの採用で、リソースの柔軟な拡張・縮小が可能となり、繁閑に応じた運用体制の最適化が実現できる点が評価された。
導入プロセスでは、日鉄ソリューションズの支援を受けつつ、日本オラクルのコンサルティング・サービス部門によるフィジビリティスタディや技術支援を活用した。アプリケーションに大きな改変を加えることなく、限られたサービス・メンテナンス時間内で「OCI GoldenGate」を利用して移行を完了した。また、Oracle Customer Success Servicesの「Oracle Cloud Infrastructure Accelerator Service」により、安定的な運用やOCIの利活用が進められている。
導入により、売上原価の約半分を占めていたデータセンター関連費用が38%削減できた。プラットフォームの表示速度を含む性能が向上し、安定性と高可用性を維持しながら、柔軟なリソース対応が可能となった。これにより、今後も利用企業数の増加や新たなサービスの展開に備えた基盤強化が図れる。
インフォマート執行役員の中井 康氏は「利用企業数やデータ量が増加する中で、より高い柔軟性と拡張性を持つクラウド環境への移行が急務だった。今回の移行でコストの最適化とパフォーマンス向上を同時に実現できただけでなく、将来のサービス拡張を見据えた基盤強化を図ることができた」と述べている。
今後の展望として、インフォマートはBtoBプラットフォームを基盤に次世代を見据えた新たなソリューションの創出を目指す。拡張性とコスト最適化を両立したクラウド基盤を活用し、企業間取引のデジタル化をさらに加速させる考えだ。
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