古河産機システムズは、キャディの製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を導入した。7月23日、キャディが発表した。設計、調達、生産管理にまたがる図面や不適合情報、コスト情報の一元管理を推進する。熟練技術者のノウハウをデータ資産化し、150年超の歴史を持つ同社における技術継承の加速と業務効率化を目指す。
古河機械金属グループで産業機械事業を担う古河産機システムズは、ポンプや破砕機、ベルトコンベヤなどの設計・製造を手がけている。一品一様のカスタム設計を強みとする一方、蓄積してきた設計知見や調達データが個人の記憶や部品コードに依存し、暗黙知からの脱却が課題となっていた。
従来は1枚の図面を探すために最大で半日を要していたほか、不適合情報やコストデータも分散し、ベテランの退職に伴うノウハウ喪失のリスクを抱えていた。また、見積業務でも各仕入先への個別メール送信が標準的で、情報共有に手間がかかっていた。
こうした課題に対し、図面や不適合情報、コストテーブル、設計変更履歴を統合参照できるシステムとしてCADDiを選定した。導入により、名称や寸法といった言葉で関連情報へ直接アクセス可能となり、図面検索にかかる時間は2時間以下に短縮された。
併せて、製造業AI見積クラウド「CADDi Quote」も採用した。個別メール送信の自動化により見積業務を効率化したほか、浮いた時間でサプライヤーの代替先絞り込みを進めるなど、業務の質的向上を図っている。現場では見積リードタイム50%削減の目標を掲げて取り組みを進めている。
今後は調達先の評価・選定の精度向上や、過去の設計資産を活用した提案型営業への展開も目指す。
古河産機システムズ生産本部長兼生産管理部長の杉並和啓氏は、「当社はカスタム設計を強みとする一方、膨大な知見やデータが個人の経験にとどまり、活用できていなかった。CADDiは点在するデータを一元化し、組織全体の資産として引き出せる。データを資産に変えることが、次の世代へ技術を継承するための基盤になる」とコメントしている。