日本たばこ産業、Celonis導入で業務プロセス改善とリードタイム短縮を実現

2024年11月19日22:58|ニュースCaseHUB.News編集部
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 日本たばこ産業(JT)は、グループ会社であるJTビジネスコム(JTBC)の調達業務において、Celonisのプロセスマイニングソリューションを導入した。2024年11月19日、Celonisが発表した。Celonisの導入により、業務プロセスを可視化し分析することで、サービスリードタイムの短縮などKPI達成に向けた業務改善を実現した。

 JTは1985年に日本専売公社の民営化に伴い設立され、国内の紙巻きたばこ市場で約6割のシェアを持つ。海外市場にも積極的に進出し、世界第3位のグローバルたばこメーカーとなった。たばこ以外にも医薬品や加工食品など多角的な事業を展開している。2017年には、JTグループの持続的な利益成長を目指し、各社の人事・財務経理・調達部門を統合し、グループ全体の間接業務の標準化やコスト削減を図るためにJTBCを設立した。JTBCではさらなる業務効率化と品質向上を目指していたが、業務の可視化が進んでいないことに課題を抱えていた。

 調達業務を担当するJTBC調達グループは、デジタル技術を活用して課題を定量的に把握することを目指し、2021年にJT IT部と協力して業務改善をテーマとしたプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトは、業務プロセスを可視化・分析し、業務改善に役立つソリューションを探すことから始まった。

 JTBCは、複数のソリューションを検討しCelonisを選定した。選定理由は、業務プロセスの可視化と分析を容易に行える点、他の競合ソリューションと比較して機能面で優れており将来的な拡張性が期待できた点、導入後のナレッジトランスファーやKPI定義のサポート体制が整っていた点である。短期間の概念実証(PoC)でCelonisの有用性を確認し、2022年4月から運用を開始した。

 JTBC調達グループは、Celonisを二つの方法で活用している。一つ目は、Celonisのアクションエンジン機能を使い、調達システム「SAP Ariba」での誤操作を検知し、管理チームにアラートメールを送信すること。管理チームはアラート内容を共有し、担当者に改善を促す対応を行っている。二つ目は、KPIに基づいたダッシュボードでデータ分析を行い、平均処理時間や超過件数を可視化して業務改善に活用することだ。

 Celonisの導入で、効果的な改善アクションが取れるようになり潜在的な課題にもアプローチ可能となった。現場からも高評価を得ている。JT IT部は、Celonisの導入に際し、その扱いやすさと手厚いサポート体制を評価している。Celonisは豊富なデータ接続やダッシュボードのテンプレートが用意されており、操作性が非常に分かりやすい。システム提供だけでなく、業務改善に繋がる運用支援も受けられ、スムーズな導入を実現した。

 今後は、JTグループの「Autonomous Enterprise」の実現に向け、Celonisの活用範囲を広げる方針だ。

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