マクニカ、Celonis導入でプロセス横断の可視化とAIメール分析を推進

2025年9月24日18:21|ニュースCaseHUB.News編集部
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 マクニカは、全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることを目的に、プロセスマイニングソリューション「Celonis」を採用した。9月24日、Celonisが発表した。複数システムを横断したプロセスの可視化と、国内初となるAIを活用したメールデータの分析を進め、業務改革につなげているという。今後は、AIが自律的に業務プロセスを改善する「Autonomous Enterprise」の実現を目指す。

 半導体やサイバーセキュリティなどを手掛けるマクニカは、長期経営構想「Vision2030」で売上高2兆円という高い目標を掲げており、その達成にはDX戦略が不可欠だとしている。DX推進の過程で、プロセスの可視化によって業務改善の糸口を見出す必要性を認識し、Celonisの導入を決めた。当初は受注管理や商談管理といった単一プロセスの分析から着手したが、活動を進める中で、根本原因の特定には複数のプロセスを横断して分析する必要があるという課題に直面した。

 そこで、同社はさらなる価値創出を目指し、プロセス横断での分析とAIの活用へと踏み出した。CRMからERPまで、商談から受注に至るプロセスを横断で可視化するため、Celonisのオブジェクトセントリックプロセスマイニング(OCPM)を導入し、業務のリアルな姿を再現する「デジタルツイン」を構築した。

 マクニカでは、Celonisの導入事例では国内初となる、メールデータの分析にも挑戦している。部門間のコミュニケーションの中心にあったメールをCelonisのAI機能で解析し、案件のステータスやボトルネックとなっている理由などを自動で抽出・分析する仕組みを構築した。これにより、担当者は状況把握と次のアクションを迅速に行えるようになり、マネージャーはチーム全体の進捗を俯瞰して的確な指示を出せるようになった。

 Celonisの導入により、商談から受注までのプロセスを横断で可視化することで、部門間の重複作業や非効率な業務を発見し、課題の根本原因を特定できるようになった。また、これまで感覚的に捉えられていた課題がデータによって可視化されたことで、部門横断での共通認識が醸成されたとしている。これにより、従来は解決が難しかった課題にも具体的な改善アクションを起こせるようになり、Celonisは「チェンジマネジメントのプラットフォーム」として機能している。この変革は、経営層の支援のもと、IT部門、業務部門、推進チームが一体となってプロジェクトを推進したことで実現した。

 マクニカは今後、AIアシスタントをさらに進化させ、AIエージェントが自ら課題を発見し、RPAなどと連携して自律的に業務プロセスを改善する「Autonomous Enterprise」の実現を目指す方針だ。Celonisのオーケストレーションエンジンを中核に据え、分析からアクションまでをシームレスにつなぐことで、業務改善をさらに加速させていく。

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