ニトリグループは、配送センターにおける配送ルート作成の効率化のため、富士通の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を活用した配送最適化技術を導入した。全国80カ所の配送センターで本格運用を開始する。これにより、ドライバーの労働時間の短縮やCO2排出量の削減など、ラストワンマイル配送における課題解決を目指す。2024年1月23日に富士通が発表した。
近年、宅配便の取扱個数は、増加の一途をたどっている。物流業界では労働力不足やドライバーの労働時間、環境負荷軽減などが大きな課題となっている。そのため、配送ルート作成の作業時間短縮や属人化の解消、配送効率の向上は急務だった。ニトリグループでは、こうした課題に対応するために、ラストワンマイル配送のDXを推進している。
今回導入した配送最適化技術のデジタルアニーラ」は、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい組合せ最適化問題を解くことに特化したドメイン指向型(特定の領域に処理能力を特化)コンピューティング技術だ。これを使うことで、トラックの積載量やドライバーの作業時間、走行距離などを考慮して、最適な配送ルートを高速で導き出せる。それにより、ドライバーの労働時間短縮やCO2排出量削減による環境負荷軽減を実現する。
ニトリグループは、今後もサステナビリティ経営を推進し、「製造物流IT小売業」としてサプライチェーン全体で社会課題解決に取り組む方針だ。