伊藤ハム米久HD、会計基盤を「HUE」で刷新 標準機能への準拠で業務統一と脱アドオン

2025年12月19日17:26|ニュースCaseHUB.News編集部
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 伊藤ハム米久ホールディングスは、国内グループ全体の会計業務標準化と持続的なシステム基盤の構築を目的に、ワークスアプリケーションズのERPパッケージソフト「HUE」を採用した。12月19日、ワークスアプリケーションズが発表した。現行システムの保守サポート終了を機に刷新を決断したもので、アドオン開発に依存しない「Fit to Standard」のアプローチにより、業務の統一と運用負荷の軽減を目指す。

 伊藤ハム米久ホールディングスは、食肉および食肉加工食品の製造・販売などを手がける持ち株会社。同社では、現行の会計システムにおいて、長年の運用に伴う複雑化が課題となっていた。従来は独自の業務要件に合わせて追加開発(アドオン)を行うことで対応してきたが、その結果として保守業務が属人化し、担当者の負荷が増大していた。加えて、現行システムの保守サポート終了が迫っていたことから、抜本的なシステムの刷新が必要と判断した。

 新システムの選定にあたり、同社は業務プロセスをシステムに合わせて標準化する「Fit to Standard」の考え方を重視した。複数のソリューションを検討した中で、HUEは豊富な標準機能を備えており、追加開発を行わずに同社の業務要件を満たせると評価。国内グループ全体が利用する共通の会計基盤として採用を決定した。

 HUEの導入により、伊藤ハム米久ホールディングスは国内グループ会社における会計業務の標準化を推進する。これにより、グループ内でシェアードサービス化している業務の品質向上を図るとともに、内部統制の強化にもつなげる狙いだ。

 また、運用面での効率化も大きな目的の一つだ。HUEは無償のバージョンアップによって法改正や制度変更に対応するため、将来的な改修コストや対応工数を抑制できる。アドオン開発を廃止し、標準機能に準拠した運用に切り替えることで、システム保守の属人化を解消し、安定した運用体制を確立する。さらに、ペーパーレス化の推進によるコスト削減効果も見込んでいる。

 伊藤ハム米久ホールディングス経理財務部の渡部氏は、「国内グループ全体の会計業務の標準化と長期的な運用の安定化を目的に採用した。従来はアドオン開発で対応していた業務もHUEの標準機能で実現できるようになり、保守性の向上と属人化の解消に期待している」としている。

 今後は、HUEに搭載されているAI(人工知能)機能の活用も視野に入れている。業務の自動化や効率化をさらに推し進め、グループ全体での最適な会計業務運営を目指す考えだ。

ニュースリリース