自動車用燃料タンク大手FTSのインドネシア法人が、ものづくりクラウドERP「mcframe X」を採用した。7月1日、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)が発表した。これは同製品の海外拠点での初の採用事例となる。
FTSインドネシアは、インドネシア国内自動車生産の約8割の燃料タンク・フィラーパイプを供給する重要な役割を担っている。同社は「社員と家族の幸福」「会社の持続的成長」「社会への貢献」を企業理念に掲げ、安定生産に努めてきた。
しかし、中国企業の参入や電気自動車ビジネスの拡大を見据え、同社は強い危機感を抱いていた。FTSインドネシアのGeneral Manager北川氏は、「従業員は右肩上がりの安定成長に浸かりきっているため、これらの強い危機感を共有し、企業文化の変革が必要でした」と語る。
その手段として、同社は「mcframe X」の導入を決断した。採用の決め手となったのは、ERPの基本機能に加え、スケジューラ連携や稼働モニタリングなど、製造現場に特化した機能の充実だった。また、B-EN-Gインドネシアの寄り添った姿勢と、企業変革に伴走できるサポート体制も評価された。
導入は段階的に進められる。まず会計領域から始め、その後IoTソリューションやSCM領域へと拡大していく方針だ。北川氏は「2030年に生き残るためのツールを作る、スピード感を持って改善が回る仕組みづくり」を目指すとしている。
FTSインドネシアのProject Manager、Adli Fadli kurnia氏は「ERPシステムの導入により、プロセスの合理化のみならず、データの一元化と正確性の向上により、レポーティングや分析が強化されることを期待しています」と述べた。
B-EN-GインドネシアのPresident Director千田氏は「システム導入を目的とせず、その後の活用を目的とした導入であることを常に意識するように」というFTS側の言葉を引用し、約3年に及ぶ全スコープの導入を「導入しながら活用も考える」アジャイルな進め方で進めていく考えを示した。
FTSインドネシアは、この次世代ERPの導入を通じて、変化の激しい自動車業界において競争力を維持し、長期的な成長を実現することを目指している。
ニュースリリースURL
https://www.b-en-g.co.jp/jp/news/2024-07-01-news1.html