トヨタグループで自動車部品や船舶用部品の鋳造と機械加工を手がけるダイハツメタルは、アークサーブ(Arcserve)のクラウドバックアップサービス「Arcserve UDP Cloud Hybrid」を採用した。11月27日、Arcserve Japanが発表した。ダイハツメタルは2018年に、基幹システムのバックアップ用途で統合型データ保護ソフト「Arcserve UDP」を本社と出雲工場に導入しており、今回、Arcserve UDP Cloud Hybridを追加導入したかたちだ。広域自然災害やサイバー攻撃への対策、特にランサムウェア対策を強化し、事業継続力の向上を図る。
ダイハツメタルは従来、本社サーバーのバックアップデータを出雲工場のサーバーに転送して遠隔地で保管していた。しかし、本社サーバーが被害にあった場合、出雲工場からデータ自体は取り戻せても、新たなサーバーの調達や復旧サイトの構築が必要になり、迅速な復旧対応という観点では課題があったという。また、トヨタグループが定める「オールトヨタ セキュリティ ガイドライン」や業界団体が定めるガイドラインへの対応も強化する必要があった。
これらの課題を解決するために同社はArcserve UDP Cloud Hybridを導入した。オンプレミスのArcserve UDPで取得したバックアップデータをクラウドに転送し保管する。災害発生時にはArcserve UDP Cloud Hybrid上でバックアップから代替仮想マシンとして基幹サーバーを起動し、事業継続性を担保するとしている。
また、本社にあるオンプレミスのバックアップサーバーとArcserve UDP Cloud Hybrid上のバックアップで、オンプレミスデータとクラウドデータの間にエアギャップを設け、ランサムウェア対策を強化したという。
ダイハツメタル総務部情報システム室係長の宮島雅司氏は「遠隔地保管についてはいろいろ検討を重ね、大手パブリッククラウドも検討してきた。しかし、いざ復旧するとなったらどこへ戻したらいいか、自然災害の場合はサーバーの調達から考えなければいけないため、話がなかなか前へ進まなかった。クラウド上に仮想マシンを立てて、そこにシステムを復元して動かすというArcserveからの提案は目からウロコだった」と評価している。