NTTドコモは、全社規模のデータ活用強化に向け、Snowflakeが買収したStreamlitを採用し業務特化型アプリケーションの開発、運用を開始した。2024年2月22日、Snowflakeが発表した。
NTTドコモでは、従来のデータ活用において、各業務担当者が業務に必要なデータを抽出するまでに数週間かかるなど、時間とコストがかかっていた。データエンジニア部門への負荷集中、部門ごとのプログラミングスキル不足、専門知識が必要なデータ加工ツールの活用が困難だったためである。
そこでドコモは、Streamlitを活用し、データ活用を容易にする社内プロジェクトを始動した。Streamlitは、Pythonを用いたシンプルなコーディングでWebアプリケーションやGUIを開発できるため、従来に比べアプリケーション開発期間を大幅に短縮できる。このプロジェクトでは、Streamlitを基盤とした簡易データ活用プラットフォームを構築し、業務担当者がUI上で必要な項目を選択するだけで、データ抽出、分析、可視化などをマニュアルなしで実行できるようにした。
たとえば、予兆スコアに基づいた加盟店への顧客送付リストを、表示されたリストから選択するだけで、担当者は迅速にデータ抽出、リスト作成ができるようになった。さらに、保有データを横断的に活用したプロファイリングも可能になった。施策の効果を可視化し、グループ内で共有することで、分析や改善にもつなげている。
Streamlitにより、アプリケーション開発開始からわずか8営業日で初回運用を開始した。また、開発したアプリケーションの活用により、従来と比較してデータ抽出、分析コストを54%削減し、分析業務を効率化している。
NTTドコモでは、本社だけでなく全国の支店、支社でも開発できるように、開発チームの立ち上げ支援も行っている。活用事例の紹介や開発研修を通じて、社内開発者は約180人にまで増加しており、全社的なデータ活用を推進している。