東京エレクトロンが、顧客との取引情報を一元管理するグローバルな情報基盤を構築した。日立ソリューションズが、3月18日に発表した。
半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンは、事業拡大と効率的な業務手法の実現に向け、IT戦略を積極的に活用している。顧客へのサービス向上、従業員のエンゲージメント向上、セキュリティ強化にも注力する中で、顧客接点部門向けフロントエンドシステムの整備を進めてきた。
同社では2016年に、フィールドエンジニアの保守サポート管理の一元化を目的として、日立ソリューションズの支援のもとMicrosoft Dynamics 365を導入し、日本と米国から順次グローバル展開してきた。顧客接点部門のさらなる強化策の次ステップとして、フロントエンドで発生する問い合わせやメンテナンス内容、在庫の動きといった業務情報をバックエンドのERPとデータ連携させ、ビジネスオペレーションの可視化と、現場担当者によるCRMとERPへの二重入力を回避することに取り組むことにした。また、国内外の拠点ごとに独自管理していた商取引情報をグローバル全体で標準化し、一元管理できる体制を整備し、フロントエンドの拡充もしたいと考えた。
これらを実現するため、同社は顧客接点部門向けのフロントエンドシステムとしてMicrosoft Dynamics 365 Customer Serviceを新たに導入し、CRMとERPのデータ連携を図ることを決めた。必要な情報が集約され、現場担当者がMicrosoft Dynamics 365 Customer Serviceだけを見れば済む点や、各国への展開を見据えた操作性の良さが評価された。
ベンダーには、既存のCRM導入実績に加え、長年にわたるシステム構築のパートナーシップ、そしてグローバル案件への対応力が評価され、日立ソリューションズが選ばれた。米国拠点での導入時には、日立ソリューションズが現地のエンジニアを手配し、日本側のエンジニアと連携しながら、東京エレクトロンの米国社員の要望を的確に捉え、スムーズな導入を実現した。
Microsoft Dynamics 365 Customer Serviceは、米国で2023年5月に既存のCRMシステムとERP連携を含めた形で導入が完了した。日本では2021年5月に本社フィールドエンジニア向け既存CRMシステムとERP連携を実施した後、2023年10月にMicrosoft Dynamics 365 Customer Serviceが導入された。
導入効果として、顧客からの問い合わせなどを一元的に管理できる基盤が確立され、顧客からの納期や調整依頼に対しよりタイムリーな対応が可能となった。また、CRMとERPの連携により、二重入力が解消され、データの自動連携と可視化が実現し、将来のデータドリブン経営につながる基盤を整備した。さらに、拠点やチームの壁を越えた知見やノウハウの共有、迅速な顧客対応を可能にする仕組みも構築した。
東京エレクトロンITユニットIT開発部部長の樋健士氏は、「日立ソリューションズは、実績と長年の信頼感があり、米国エンジニアの手配や日本エンジニアとの連携などグローバルでの対応力も頼もしく、困難な課題でも希望通りに解決していただいています。今後も、豊富な他社事例から導き出したベストプラクティスの提案を期待しています」とコメントしている。
今後は、Microsoft Dynamics 365 Customer Serviceの導入とERP連携をヨーロッパやアジアにも展開していく。並行してCRMのブラッシュアップも進め、現場担当者がより使いやすく、業務全般がさらに効率化されるよう改善を図り、知見やノウハウの共有にも活用していくことが期待されている。
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