DG Matrixは、AIデータセンターおよび産業用電力アプリケーション向けの電力変換効率向上を目的に、インフィニオンの最新世代炭化ケイ素(SiC)技術を採用した。4月7日、インフィニオン テクノロジーズが発表した。DG Matrixは、自社のマルチポートSST(ソリッドステート トランスフォーマー)プラットフォーム「Interport」に同技術を統合する。これにより、電力密度の向上とシステムの小型軽量化を実現し、世界規模での効率的な電力インフラ展開を加速させる。
DG Matrixは、次世代の電力変換装置であるSSTソリューションのリーダー企業だ。AIデータセンターや電気自動車(EV)用充電インフラの普及に伴い、世界の電力需要が増加する中、従来の銅と鉄を用いた変圧器に代わる、よりスマートで効率的な送電網への接続技術が求められていた。
SSTは半導体ベースの高度な電力変換デバイスであり、従来の変圧器と比較して最大で14分の1に小型化、40分の1に軽量化できる点が特徴だ。公共送電網から供給される中電圧を、データセンターや再生可能エネルギーシステムで必要な低電圧へ直接変換できるほか、エネルギーフローの能動的な制御も可能にする。
DG Matrixの採用にあたっては、インフィニオンの最新世代SiCデバイスがもたらす高い効率、電力密度、および信頼性を評価した。また、今回の提携によりDG Matrixは半導体サプライチェーンを強化し、量産体制の拡大や高電圧対応プラットフォームの開発を推進できるとしている。
DG MatrixのCEO兼共同創設者であるハルーン イナム氏は、「当社のマルチポートアーキテクチャは、SiCがもたらす性能を最大限に引き出すよう設計されている。インフィニオンとの提携は、AIデータセンターおよび電化分野に向けた電力インフラを、より迅速かつ効率的に世界規模で展開するという当社の使命を支えるものだ」と述べている。
今後は、DG Matrixの製品ファミリー拡大に合わせて、両社は次世代SiCデバイスのロードマップにおいて連携を継続する方針。スケーラブルでレジリエントな電力インフラの構築を通じて、脱炭素化とデジタル化の進展に対応していく考えだ。