トヨタモビリティパーツ茨城支社は、業務引き継ぎの属人化解消を目的に、自動マニュアル作成ツール「Dojo」を採用した。9月25日、Dojoを提供するテンダが発表した。従来、1件のマニュアル作成に平均で7.5時間を要していたが、Dojoの活用により最短30分に短縮。1業務あたり最大で約10.6時間の工数削減効果を確認しているという。今後は各営業所にも展開し、全社的な業務標準化を目指す。
同支社では、若手社員の育成を目的とした数年単位での部門ローテーションを積極的に行ってきた。従来、Excelで作成したマニュアルで、異動に伴う業務の引き継ぎをしてきたが、2020年の会社合併やローテーション異動の増加など、組織の変化が進むにつれマニュアルの更新が追いつかない状況に陥っていた。結果として口頭での引き継ぎが増え、精査したところ約350件のマニュアルが形骸化している、もしくは新規作成が必要な状態にあることが判明した。
そうした課題の解決策として、同支社はマニュアル作成ツールの導入を検討。製品選定にあたっては、「マニュアル作成時間の短縮」「操作性の良さ」「導入後のサポート体制」の3点を要件とした。最終的に2製品を比較検討し、展示会で実際に操作した際の自動キャプチャー機能や操作性の高さを評価してDojoの採用を決定。2024年9月に導入し、同年11月には各部門の担当者を集めた講習会を実施したほか、出力形式や保存場所といった利用ルールも策定。全部門の社員が自由に利用できる環境を整えた。
Dojoの導入により、PCで業務に関する操作を行うだけでマニュアルの大部分が自動生成されるようになったため、作成のハードルが大幅に下がったという。また、業務引き継ぎだけでなく、学習者が自身のPC操作を記録して復習用のマニュアルとして活用するケースも出てきている。担当者によると、こうした取り組みにより、引き継ぎ時の説明工数も大幅に削減された。
現状、導入から1年足らずで約70件のマニュアルが整備されている。これは形骸化していた全資料の約20%に相当する。同支社は今後、まず残る約280件のマニュアル整備を進める。現在は本部のみでの利用だが、今後は土浦、日立、神栖、下妻の各営業所にも展開し、現場主導でマニュアルを整備できる体制を構築する計画で、必要に応じてライセンスの追加も検討する。将来的には、動画による倉庫作業のマニュアル作成も視野に入れている。