楽天ヴィッセル神戸が、クラウド型データ活用プラットフォーム「Domo」を導入し、チームのデータ活用を推進した。ドーモが12月24日に発表した。
ヴィッセル神戸は1994年に設立されたプロサッカークラブで、2018年にアンドレス イニエスタ選手の加入を機に観客数が増加、事業規模が拡大した。しかし、選手や監督の入れ替わりが激しいサッカークラブでは、常に優勝争いに加わるために、経験や勘に頼る意思決定からデータに基づいた意思決定への転換が必要となっていた。そこで同クラブは、事業規模の拡大とチームの強化を目指し、2019年にデータ分析チームを設立し、Domoをはじめとする基幹システムの導入を進めた。
Domo導入後、ヴィッセル神戸は、蓄積されたデータをチームの資産として活用し、監督や選手へのデータの伝え方や見せ方を工夫し、データ活用の最適化を図った。2023年には初優勝に大きく貢献し、2024年には選手のコンディションやパフォーマンスなど多岐にわたる分野でDomoをフル活用し、データ活用の「成長期」を迎えた。データの役割、定量と定性のバランス、データの効果的な見せ方などを洗練させることで組織改革が一気に推進され、J1リーグ連覇を達成した。
具体的な活用例として、チームのパフォーマンスに関するKPIを設定し、勝つための重要指標やチームスタイルの重要指標を可視化している。これにより、チームの状態を定量的に把握し、より深い分析につなげている。また、試合や練習における選手の負荷を可視化し、蓄積されたデータとの比較をもとに、フィジカルコーチに怪我のリスクを事前に共有し、怪我の予防や防止に役立てている。さらに、筋肉量や体脂肪などの重要指標を選手ごとにDomoでモニタリングし、異常値が検出された場合はアラート機能によって自動的に通知される仕組みを構築している。これにより、選手の急な変化を見逃すことなく、タイムリーなリカバリーが可能となった。
ヴィッセル神戸はオフィスだけでなく、試合会場や移動中など場所を問わず、リアルタイムデータを活用している。モバイルファースト仕様のDomoは、携帯端末でもストレスなく最新情報にアクセスでき、迅速なアクションを可能にするため、多様な職場環境、拠点、スタッフを抱える同クラブのニーズに適していると評価されている。
ヴィッセル神戸は、Domoの活用を通じて、チームのパフォーマンス向上、選手のコンディション管理、怪我の予防など、多岐にわたる分野で成果を上げている。今後もDomoをパートナーとして、さらなる飛躍を目指す方針である。