武蔵野化学研究所がDX推進に向けて社員向けのデータ分析基盤を構築

2024年9月9日08:40|ニュースリリース公開日 2024年5月21日|ニュースCaseHUB.News編集部
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 武蔵野化学研究所は、「武蔵野化学研究所DX3ヵ年計画」の取り組み推進に向けて、社員自らデータを取得、分析可能なデータ分析基盤を構築した。5月21日、ジールが発表した。

 「合成法」による乳酸の量産に世界で初めて成功したパイオニア企業の武蔵野化学研究所は、現在でも唯一の「合成乳酸」メーカーとしての地位にある。そうしたなかでも攻めの経営を続ける同社は、DXの推進による業務効率化や革新的な製品の創出に向けて「武蔵野化学研究所DX3ヵ年計画」を策定し、取り組みを強化している。

 そのDXの根幹に据えているのが、基幹系システム「OBIC7クラウド」の新バージョンへの更新と、それを契機としたデータ分析基盤の構築である。なかでも優先事項としてしたのが、研究開発の成果を詳細に可視化するためのデータ分析。具体的には、製品製造の出発点となる原料である「出発原料」の原価に関するデータ分析だった。

 これまで武蔵野化学研究所では、Excelファイルを用いて分析レポートを作成していた。そのExcelファイルは、製造実績データが膨大であることから容量は80MB以上、起動には実に20分以上もの時間を要していた。また、分析レポートの作成が属人化していることも課題となっていた。こうした状況を変えるべく、研究開発の状況や成果をいち早く可視化するためのデータ分析基盤を実装することが急務だったのである。

 複数のソリューションを比較検討し、武蔵野化学研究所が導入を決めたのは、ウイングアーク1stのデータ活用基盤「Dr.Sum」、およびデータ分析ツールの「Dr.Sum Datalizer for Excel(以下、Datalizer)」の導入を決定した。基幹系システムとして利用していたOBIC7とDr.Sum、Datalizerは数多くの連携実績を有していたことが決め手だったという。

 そして、データ分析基盤構築のパートナーには、DX推進事業を展開するジールを選んだ。Dr.SumとDatalizerに対する実績を評価した。

 データ分析基盤を構築したことにより、関係者自らすぐに情報を入手、参照できるようになったほか、複数の担当者が取り扱うことが可能になった。また、従来の原価に関する情報を月末にまとめてExcelファイルを更新するという作業が不要になり、前日の製造実績に基づいた最新の出発原料原価のデータを参照、分析できるようになっている。

 レポートの内製化も加速している。必要なデータはDr.Sumからすぐに抽出できるようになったことから、営業担当者自らがレポート作成できるようになったのである。また、給与人事データなどもDr.Sumに登録し、労務費に関する分析資料を作成している。これも、以前は丸1日かかっていたという。

 大きな成果を得た武蔵野化学研究所は、今後も引き続きデータ活用を進化させていくことを検討している。


ニュースリリースURL
https://www.zdh.co.jp/topics/20240521/