帝京大学病院、動画説明で医師の負担軽減 患者の理解度向上とDXを推進

2026年3月27日09:00|ニュースCaseHUB.News編集部
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 帝京大学医学部附属病院は、医師や看護師による説明業務の効率化と医療の質向上を目的に、患者対応デジタルトランスフォーメーション(DX)システム「MediOS」を採用した。3月26日、MediOSを提供するContreaが発表した。入院案内や術前説明などの定型的な業務を動画でサポートすることで、医療者の負担を軽減し、患者とその家族の安心感を高める一気通貫のDXを実現する。

 帝京大病院は、1014床(一般975床、精神39床)を有し、特定機能病院として高度救命救急やがん診療などの役割を担う大学病院だ。同院では、入院案内や術前、検査、麻酔に関する説明など、医師や看護師が患者に対して行う説明業務が年々増大していた。特に救急搬送や緊急入院が多い同院において、限られた時間内で適切な説明と同意取得(インフォームド・コンセント)を完了させ、迅速に治療を開始できる体制の構築が喫緊の課題となっていた。

 導入の決め手となったのは、国立大学病院をはじめとする大規模病院での豊富な運用実績だ。単なるツール導入にとどまらず、病院全体の患者対応を変革できるプラットフォームである点が評価された。また、同院が掲げる「患者そして家族と共にあゆむ医療」という理念に対し、動画活用が患者の理解を深める一助になることも採用を後押しした。

 整形外科では、特に高齢者の大腿骨近位部骨折が増加しており、受診当日に説明と同意取得を終え、翌日には手術を実施できる体制を目指している。MediOSの導入により、どの医師が担当しても同等のクオリティで情報提供を行える環境を整えた。また、既存のコンテンツにない専門的なニーズについては、同院の知見を反映させた独自の動画制作をContreaと共同で進めている。

 今後は動画説明にとどまらず、双方向のコミュニケーションツールとしての活用を計画している。LINEを介したメッセージ通知機能を活用し、退院後の患者へ受診勧奨や服薬確認を自動で行うことで、骨粗鬆症などの継続的な予防治療を支援する。また、動画視聴後の理解度チェック機能を充実させ、患者が十分に納得した上での同意が得られる仕組みを構築する。

 帝京大学医学部附属病院整形外科科長で医学部長の河野博隆氏は、働き方改革への対応が求められるなか、医師や看護師が毎回同じ説明を繰り返す負担を軽減する必要があったと指摘する。同氏は、「当院の知見をコンテンツに反映させることで、日本の標準的な医療提供の形を世に示せると考えている。今後は医療者の業務負担軽減だけでなく、患者の理解度や満足度の向上に寄与していきたい」としている。

ニュースリリース