NEC、AI抽出の特徴量にビジネス文脈を付与 営業活動での意思決定を迅速化

2026年3月27日11:23|ニュースCaseHUB.News編集部
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 NECは、AIデータ分析プラットフォーム「dotData」で抽出した特徴量にビジネスの文脈を付与し、カタログ管理する「コンテキストレイヤー」の技術検証を完了した。3月27日、同社が発表した。検証結果を受け、2026年3月から自社の営業活動を対象とした実業務環境での実証を開始した。AIが統計的な事実だけでなく業務上の意味を理解して回答を生成する仕組みを構築し、意思決定の質向上と迅速化を目指す。

 近年、生成AIやAIエージェントの普及に伴い、企業内の蓄積データをAIが活用可能な「AI-Readyなデータ」へ変換する重要性が高まっている。dotDataはデータから統計的な特徴を自動抽出できるが、その特徴をビジネスの文脈でどう解釈するかという「意味情報」の付与は、従来、人の知見や経験に依存していた。これが、AIが文脈を理解して適切な回答を生成する際の障壁となっていた。

 今回の技術検証は2025年10月から12月にかけて、Quollio Technologies(以下、Quollio)と共同で実施した。Snowflakeの生成AIエージェント「Cortex Agents」とアプリケーション開発ツール「Streamlit」を活用した環境を構築。AIエージェントとの対話を通じて、dotDataが抽出した特徴量にビジネスの文脈を付与し、AIが単なる数値の提示に留まらない意味のある回答を生成できるかを確認した。

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知識の循環サイクルのイメージ

 具体例としてスーパーマーケットの購買データを用いた検証では、dotDataが抽出した「購買時間が22時台」という事実に、対話を通じて「閉店間際の駆け込み需要」というビジネス文脈を導出した。これにより、ユーザーが「商品Aを購入する顧客の特徴は?」と問うと、AIが22時台という事実と閉店間際という文脈を組み合わせて回答を生成し、ユーザーの理解を促す挙動を確認できた。

 検証では、これらの特徴量とビジネス文脈をQuollioのコンテキストレイヤーで一元管理し、双方向に連携する仕組みも実装した。人とAIが共に参照・編集可能な基盤で管理することで、対話のたびにナレッジベースが更新される「知識の循環サイクル」が技術的に確立できることを確かめた。

 実証フェーズでは、NECの一部門における営業活動にこの仕組みを適用する。営業マネジメントのプロセスにおいて、ビジネス知識としての特徴量を活用することで、意思決定の支援効果を検証する。

 今後は、社内での実証を通じて実務的な成果を確認した上で、顧客向けに共同ソリューションとして提供するための具体的な協議を進める。NECのデータドリブンDXソリューション群とQuollioの連携を深め、企業が蓄積したデータを戦略的な意思決定資産として継続利用できる環境の普及を推進したい考えだ。

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