鹿島建設は、建設技能者の処遇改善や担い手確保を目的に、リバスタが提供する建設技能者向けポイントサービス「ビルダーズポイント」を全支店に導入した。4月7日、リバスタが発表した。同サービスを通じて技能者の日々の取り組みを可視化し、安全意識の向上や現場作業のデジタル化定着を推進する。
建設業界では、技能者の高齢化や若年層の入職者減少による深刻な担い手不足が課題となっている。働く魅力や働きがいを感じられる環境づくりが急務となる中、リバスタは2023年10月から鹿島建設を含む元請3社の協力のもとで実証実験を実施。ポイント付与の仕組みが技能者のモチベーション向上や現場の活性化に寄与することを確認し、2024年6月から正式にサービスを提供している。
鹿島建設では正式提供後も複数の現場で継続利用し、数百名の技能者を対象に効果を検証してきた。その結果、安全意識の向上や書類提出業務の改善に加え、建設キャリアアップシステム(CCUS)カードのタッチ率上昇といった成果を確認できたため、今回の全支店導入に至った。CCUSカードは、建設キャリアアップシステムに登録した技能者一人ひとりに発行されるICカードで、技能者IDや資格・就業履歴などを紐づけて管理する「建設版キャリア証明書」のようなもの。
具体的な成果として、現場の安全管理に関する「ペーパレスKY(危険予知活動記録)」の提出率が、導入前の70%から90%へと20%向上した。また、鹿島建設の全建築現場で利用している施工管理サービス「Buildee」への作業予定等の入力率についても、100%に引き上げることに成功した。これまでは一部の現場で対応が定着しにくい状況があったが、対応済みの技能者にポイントを付与する仕組みが改善に貢献している。
現場からは、技能者への感謝がポイントとして可視化されたことで一体感が高まったとの声や、安全大会、改善提案活動への参加率が向上したといった評価が寄せられている。技能者側からも、日々の努力が認められていると感じ、モチベーション維持につながっているとの反応が得られている。
ビルダーズポイントは、元請会社が独自のポイントプログラムを構築できるサービス。安全講習への参加やヒヤリハット報告など、安全・改善活動に応じて専用アプリ上でポイントを付与できる。Buildeeと連携することで、入退場記録に基づいた一斉付与など、現場運用に即した運用も可能だ。
鹿島建設常務執行役員建築管理本部副本部長兼建築企画部長の堀内大輔氏は、グループ中期経営計画で掲げる安全で魅力ある現場の追求や担い手確保に向けて、今回の全支店導入は大きな意味を持つと述べている。技能者の努力に対しポイントで感謝を伝えることは、現場の雰囲気改善や一体感醸成に寄与すると確信しているという。今後も協力会社や技能者とともに、安心して働き続けられる現場づくりに取り組み、業界の未来を支えていくとしている。