山口県大島郡の周防大島町は、窓口業務の効率化と住民の利便性向上を目的に、エム・ピー・ソリューションが提供するマルチキャッシュレス決済サービス「KAZAPi(かざっぴ)」を採用した。6月25日、エム・ピー・ソリューションが発表した。同町役場としては初めてのキャッシュレス決済導入であり、2026年2月から島内にある四つの総合支所すべてで運用を開始している。住民票の写しや戸籍関連証明書など各種証明書の発行手数料の納付に際して、複数の決済手段が利用可能になった。導入コストを抑えつつ入金・請求処理を一本化できる体制を整え、窓口業務の迅速化と職員の事務負担軽減を図っている。
周防大島町は瀬戸内海に浮かぶ島で、東西に細長い地形のため、島内の移動に車で1時間以上を要する地域もある。同町は地域に根差した行政サービスを維持するため、「久賀」「大島」「橘」「東和」の4つの総合支所を設けて窓口業務を行ってきた。民間主導のインフラが届きにくい島という条件の下、少子高齢化社会を踏まえた住民サービスの維持・向上や行政DXの推進が課題となっていた。どの支所でも同程度の利便性で手続きができる環境を整えることを狙い、全総合支所へのキャッシュレス決済端末の導入を決めた。
選定にあたり、多数のキャッシュレス決済サービスの中から、初期導入コストを抑えられる点が評価された。加えて、クレジットカードや電子マネー、各種QRコード決済など幅広い決済手段に対応しつつ、各マネー会社からの請求や入金を一本化できる仕組みにより、職員のバックオフィス業務を抑制できる点が採用の要因となった。
運用面では、四つの総合支所にそれぞれ1台ずつ、計4台の決済端末を設置している。住民票の写し、戸籍関連証明書、印鑑登録証明書など各種証明書の発行手数料を支払う場面で、現金に依存せずに納付できるようになった。
導入後は、窓口での支払い手続きが一定程度スムーズになり、住民の待ち時間短縮につながっている。証明書発行のような少額・定型の決済シーンでも、キャッシュレス利用のニーズが確認され、利用者から肯定的な反応が寄せられている。また、経理処理を一本化したことで、職員の運用負荷を大きく増やすことなく、窓口環境の改善を進めている。