新日本プロレスは、経費精算業務の効率化を目的にクラウド経費精算サービス「Bill One経費」を導入した。7月23日、同サービスを提供するSansanが発表した。法人カード「Bill Oneビジネスカード」の活用で従業員の経費立て替えをなくし、月間1000件以上にのぼる経費精算業務の効率化を図る。これにより、全社の生産性向上およびプロレス興行の運営効率化を目指す。
日本最大のプロレス団体である新日本プロレスは、全国各地で年間140以上の興行を行っている。そのため、選手やスタッフの出張費など、従業員74名に対し月間1000件以上の立て替え経費が発生、その精算業務が興行運営担当者や経理担当者の大きな負担となっていた。2023年にプロレスラーの棚橋弘至選手が社長に就任して以来、バックオフィス業務のDXを推進しており、その一環としてBill One経費の導入を決めた。
従来、同社は専用のクラウドシステムで経費精算に対応していたが、システムと連携する法人カードの支払履歴が管理画面に反映されるまでに数日を要していた。このタイムラグが原因で領収書の登録漏れが発生し、決算期には経理担当者がカード明細と突き合わせて未登録費用を計上する手間が生じていた。また、その後で従業員が自身で経費申請を行うため、二重計上のリスクも抱えていた。
今回Bill One経費を導入したことで、これらの課題解決が期待される。Bill Oneビジネスカードは、使用履歴がオンラインの管理画面に即時反映される。カード使用後には、領収書提出を促す督促メールが使用者へ自動で送付されるため、提出漏れの低減につながる。これにより、経理担当者が行っていたカード明細の確認や二重計上を防ぐための確認作業といった工数が削減される。
また、月1000件の経費支払いをBill Oneビジネスカードに集約することで、従業員の一時的な金銭的負担を解消した。支払金額と証憑の突合作業や、インボイス制度で求められる適格請求書の要件確認も自動化されるため、経理業務全体の工数削減を実現する。さらに、部門ごとにカード利用明細の閲覧範囲を設定できるため、興行の運営担当者が試合ごとの経費を容易に把握でき、損益管理の効率化にも貢献している。
同社経理セクションの担当者は、「元々経費精算は紙での処理が中心だったが、棚橋が社長に就任してからはバックオフィスのDXも大きなテーマの一つとして取り組んでいる。現在では全体の9割の経費が法人カードで支払われ、経理担当者の精算処理や証憑管理もクラウド移行しており、Bill Oneを通じて大きく業務の効率化が進んでいると感じている。今後は費用分析などにもBill Oneを積極的に活用し、興行運営を強固にしていきたい」と話している。
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