パラマウントベッド、「Dynamics 365」で基幹システム刷新 経営判断の迅速化狙う

2024年10月3日11:18|ニュースCaseHUB.News編集部
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 パラマウントベッドホールディングスは、国内全拠点の基幹システムをマイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Dynamics 365」で刷新した。10月2日、日立ソリューションズが発表した。新システムはERPからCRM、BIまでを統合し、迅速なデータ利活用と迅速な経営判断を実現する。今後、アジアや北中米など海外8カ国9拠点へも順次拡張する。

 パラマウントベッドグループは、1990年代に導入した基幹システムの老朽化に伴い、2018年からシステムの全面刷新に着手していた。海外納入実績が110カ国以上に拡大する中、旧来のシステムでは対応が困難だったことが背景にある。

 パラマウントベッドは日立ソリューションズと協業し、すべての旧基幹システムをMicrosoft Dynamics 365のクラウドサービスで刷新した。 日立ソリューションズは、ERPとCRMの双方を大規模導入した実績が複数あること、マイクロソフトとの強力なパートナーシップ、今後のグローバル展開にも対応できる総合的な実力が評価され、構築パートナーに選ばれた。

 複数のパッケージを同時に導入する大規模なシステム刷新では、標準機能を最大限に活用する「Fit to Standard」の考え方を重視し、アドオン開発は投資対効果が見込める範囲に限定、業務もシステムに合わせ最適化した。

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刷新したシステムの構成イメージ

 新システム導入で、パラマウントベッドは拠点ごとに個別最適化された50以上のオンプレミスシステムを統合し、業務の標準化を実現した。また、グループを横断するデータをさまざまな方法で分析できるダッシュボードで、経営判断の迅速化が可能となった。サーバーレスなクラウドサービスの採用で、メンテナンスなどの保守に関わるコストも大きく削減した。

 パラマウントベッドホールディングスの木村陽祐常務取締役財務部長は、日立ソリューションズについて「プロジェクトの目的や方針について協議を重ねて理解し、それに沿うためのガイドラインを用意して構築を進めてくれました。こちらの意図をくみ取って常に新しい提案をしてくれるなど、信頼できるパートナーです」と評価している。

 パラマウントベッドは今後、国内で作り上げた新基幹システムを、アジア・北中米圏を中心に海外へ展開する。また、グループ子会社が手がける介護ベッドや福祉用品のレンタル、リカーリング事業でも、今回の基幹システムを活用した費用請求事務など業務管理の効率化を目指す。さらに、Microsoft Power Appsを活用したアプリ開発や、コールセンター業務などでのAI活用など、基幹系以外の業務へのシステム拡張も検討する。 

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