国産レザーブランド「yuhaku(ユハク)」を展開するユハクは、店舗とECで別々に運用していたシステムを、RECOREのクラウド基幹システム「RECORE」とShopifyに集約し、月額システムコストを約60万円から約20万円に減らした。RECOREによると、削減率は66%。10月9日、RECOREが事例を公開した。在庫と顧客情報も統合し、ECから各店舗の在庫を確認できる仕組みを整えた。
yuhakuは、職人が一点ずつ手染めする革製品を扱い、銀座本店、横浜ファクトリー店、大阪心斎橋店の直営3店舗と、自社ECで財布やバッグなどを販売する。以前は、POS、ECカート、OMS(受注管理)、会員管理、BIツールを、別々のサービスで運用していた。店舗のPOSとECカートが連携しておらず、同じ客でも、店舗とECで別の顧客として管理され、購買履歴を横断して把握できなかった。在庫情報もリアルタイムで連動せず、実店舗には商品があるのに、ECでは欠品と表示されるケースがあった。各システムをつなぐ連携ツールも含めた構成で、月額のシステム費用は約60万円に達し、システムごとに担当者が異なるため、トラブルの原因の特定にも時間がかかっていた。
データの分断と運用負荷を解消するため、業務基盤全体を見直した。基幹システム、POS、店舗とECを横断する管理、会員連携、受注管理をRECOREに集約し、ECカートをShopifyに移した。商品マスタと顧客情報は名寄せし、重複していた情報を整理して統一した。「誰が、どのチャネルで、何を買ったか」を、リアルタイムで把握できる。
月額システムコストは約60万円から約20万円に減った。RECOREは削減率を66%としている。この数字は、同社のシステム構成の変更前後の月額コストに基づく。RECORE単体の利用料金ではない。店舗スタッフの習熟の負担を抑えるため、販売画面は、RECOREの標準画面をベースに、接客のスタイルに合わせてカスタマイズした。商品写真付きの一覧から商品を選んで、そのままカートに追加でき、商品詳細では、他店舗の在庫数も見られる。販売画面の横で、「来店のきっかけ」「興味のあるカテゴリ」といったアンケート情報も入力でき、接客の中で、顧客情報を蓄積できる。
Shopifyで構築したECサイトの商品ページには、「店舗在庫を確認」ボタンを設けた。押すと、銀座、横浜、大阪の直営店ごとの在庫数を確認できる。ECで見た商品の色合いや質感を、店頭で確かめたい客が、在庫のある店舗を調べて来店を検討できる。商品の品番、色、サイズ、素材、シリーズといった属性は、RECOREの商品マスタに集約し、ECの商品タイトルと説明文は、テンプレートで自動生成する。楽天市場、Yahoo!ショッピング、メルカリShopsなどへの出品にも対応できる準備を整えた。
今後は、ECで注文した商品を店舗で受け取るBOPIS(店舗受け取り)の本格運用や、ECモールへの販売チャネルの拡大を予定する。長期在庫やB品のリユース販売、下取りプログラムも、今後の取り組みに挙げる。開発中の「RECORE BI」の導入を検討し、専用の経営ダッシュボードを構築する構想もある。いずれも今後の予定や検討事項で、すべてが運用済みの機能ではない。