オンワードデジタルラボ、顧客データ基盤を刷新 運用コストが約半分に

2026年10月13日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
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 オンワードグループのデジタル事業を担うオンワードデジタルラボは、顧客データ基盤(CDP)を、クラウドDWHの「Snowflake」を中核とする「コンポーザブルCDP」に刷新した。構築はprimeNumberが支援した。処理遅延が解消し、運用コストは従来の約半分になった。新基盤の稼働から約1カ月の時点で、重大なシステムエラーは発生していない。10月9日、primeNumberが発表した。

 オンワードデジタルラボは、ファッションを中心にウェルネス事業まで広げるオンワードグループで、ECシステムの管理、デジタルマーケティング、グループを横断した顧客基盤の運営を担う。2021年から運用してきたCDPは、データ量の増加で、大量のデータの処理に対応しきれなくなった。契約プランを変えれば増強はできたが、費用が一気に上がり、売上の伸びを超えてインフラコストが増える構造だった。朝9時までに必要な売上レポートの処理が詰まり、復旧作業に追われる状態で、年間で数多くのエラーも起きていた。データの抽出にはSQLの知識が要り、社内で書けるメンバーが少ないため、各ブランドからの依頼が特定のメンバーに集中していた。

 既存基盤の契約更新を機に、primeNumberと次期基盤の構築を始めた。社内公募で、自ら課題を解決したいと志願したメンバーが、プロジェクトを担った。primeNumberを知ったのは、同業のアパレル企業が、クラウドETL「TROCCO」を使っている事例記事を見たことがきっかけだ。まず、提案依頼書(RFP)の作成の支援を頼むベンダーの選定に参加してもらい、短い期間で質の高い提案が出たことが印象に残った。本番の構築コンペで、あらためて声をかけた。提案書は100ページを超え、課題への理解の深さがそのまま形になっていた。解像度の高い提案と、レスポンスの速さが、決め手になった。AI活用を含む技術の裏側まで、包み隠さず提案した点も評価した。

 Snowflakeを選んだのは、パフォーマンスの高さ、柔軟な従量課金、特定のベンダーに依存しない拡張性が、利用実態に合っていたためだ。構成は、必要に応じて組み合わせる「コンポーザブルCDP」とし、データの収集にTROCCO、メタデータの管理にAIデータプラットフォーム「COMETA」を使う。データやパイプラインの構造をAIが読み取れる、「AI-Ready」な基盤を重視した。移行では、CDPを止めず、日常業務やマーケティング施策を続けながら、新基盤の開発とデータ移行を並行した。旧基盤の構築時から支援してきた会社も加え、3社が毎週の定例ミーティングで、バックログを共有した。

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データ基盤構成図の一部

 運用コストは、従量課金への切り替えと、利用実態に合わせた構成の最適化で、従来の約半分になった。処理の性能も上がっている。新基盤の稼働から約1カ月の時点で、重大なシステムエラーは1件もない。構造が把握しやすいため、エラーの原因の切り分けも速くなった。設計と開発に自社のメンバーが深く関わり、チーム全体のデータへの理解と技術力が上がって、運用を内製化する土台もできた。

 イノベーショングループの髙橋秀樹氏は「今回CDPを移行して一番良かったことは、会社のデータ基盤のことを知る人間ができたこと」と話す。今後は、グループ横断で顧客IDの統合を目指す。従来は会員IDが分断され、食品やギフト、コスメ、ペット用品などの事業間で、シナジーを生めていなかった。ブランド側にもデータを扱える人材を育て、全社員が自然言語などで、必要なデータを取り出せる環境を目指す。

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