エンジェル投資家ファンドを運営するPower Angelsは、投資家の入会手続きにおける本人確認を、金融機関向けのeKYCサービスから、supaの本人確認(eKYC)サービス「supatrust」に切り替えた。月10件規模の利用に対して割高だったコストと、サーバー要件やデータ保管の負担を解消した。10月9日、supaが発表した。
Power Angelsは、「パワーエンジェル投資家を増やし、日本経済の底上げをする」をミッションに、エンジェル投資家ファンドの組成と運営を手がける。投資家は経営者に限り、資金の提供にとどまらず、事業の支援まで行うコミュニティを運営する。25歳以下の若手起業家に投資する「U25ファンド」や、学生起業コミュニティ「U25 Lab」も展開している。入会には独自の審査基準を設け、手続きの中で、投資家のステータスを確認するため、一人ひとりの本人確認を行う。
以前は、金融機関向けのeKYCサービスを使っていた。利用件数は月10件規模で、費用が割高だった。完全オンラインで稼働する会社のため、サーバーやIPアドレスの制限といったセキュリティ要件への対応も重かった。確認したデータは、自社のサーバーで保管する必要があり、システムのセキュリティ対応やデータ保管に、継続的な手間とコストがかかっていた。
切り替えのきっかけは、代表の山本氏が、SNSで見かけたsupatrustのトライアル募集の投稿だった。すぐに連絡し、他社のサービスとも比べた。決め手は、少人数で運営する会社にとって重要な費用と、シンプルなUI、対応の速さだった。確認データはsupatrust側で保管するため、自社でサーバーを構える必要がなく、API統合を含む導入作業も、問題なく進んだ。
現在は、投資家に本人確認のURLを送り、自分のタイミングで手続きしてもらう。案内には、URLをスマートフォンで開き、運転免許証かマイナンバーカードを用意するよう、一文を添えるだけだ。担当者は、管理画面で進行状況を確認する。投資家は、40〜50代の経営者が中心だが、「使いにくい」「使い方が分からない」といった問い合わせや不満は、一度もない。コストは、月10件規模に見合う料金になり圧縮できた。
ファンド運営を担当する星野翔子氏は、「ストレスだった点がすべてクリアになって、即、切り替えた」と話す。2027年4月の犯罪収益移転防止法の改正を控え、supaは、マイナンバーカードなどのICチップ読み取りへの対応準備を進めている。星野氏は、法改正への対応を迅速に進めてほしいと期待する。