東関交通、kintoneで受注管理の属人化を解消 情報確認など年約360時間減

2026年10月13日09:00|ニュース|CaseHUB.News編集部
x
hatebu

 千葉県成田市のバス会社、東関交通は、サイボウズの「kintone」で、貸切バスの受注管理や車両・従業員の台帳などを一元管理している。アプリは、アールスリーインスティテュートの開発サービス「キミノマホロ for kintone」で作った。情報を探す、聞く、待つといった時間は、社内全体で年間約360時間減ったと試算する。10月9日、アールスリーが事例を公開した。

 東関交通は、設立40年を超えるバス会社で、貸切バスやタクシー、ハイヤーなど55台以上を保有する。貸切バス事業の拡大に伴い、バスの車両数は当初の5〜6台から31台へと約6倍になった。一方、受注管理は、長年業務に精通した担当者1人に頼る状態が続いていた。受注内容は、紙のカレンダーや既存の運行管理システムで管理し、依頼元や金額などの詳細を把握できるのは、担当者だけだった。受注管理のExcelや車検管理のスプレッドシートなど、情報は業務ごとに分散していた。担当者が不在になれば業務が回らなくなるリスクと、情報共有不足によるミスへの懸念が大きくなり、誰が見ても受注状況を把握できる管理への見直しを始めた。

 kintoneは当初、大手企業が使うシステムという印象で、選択肢にはなかった。受注管理を特定の担当者に頼っていた小規模なバス会社が、kintoneで課題を改善した事例を見つけ、自社にも使えると考えた。さらに導入事例を調べる中で、アールスリーが開発を手がけた大手バス会社の事例を見つけた。同じバス業界での実績があることから、サイボウズを通じて相談した。他社の見積もりも取ったが、料金が明確で導入後のフォローもある点を評価した。決め手は、サイボウズのイベント「Cybozu Days」で、希望する仕組みがkintone上でどんな形になるかを、画面で見せてもらったことだ。予算の都合で、高度なカスタマイズができないライトコースの利用を予定しており、できることとできないことを事前に説明された点も、判断につながった。

 作ったアプリの一つ目は、貸切バスの受注管理だ。誰が、どの顧客から、どんな仕事を、いつ受注したのかを、1つの画面で確認できる。営業担当者ごとの売上や粗利も集計でき、個人のExcelで管理していた売上情報も集約した。受注ごとに入金済みかどうかも確認でき、受注、売上、入金の管理を一つのアプリにまとめた。

 二つ目は、Googleスプレッドシートで共有していた社員の予定や業務内容を移したタスク管理で、「本日の作業」で絞り込むと、その日に誰がどこで何をしているかが一目で分かる。当初はカレンダー形式での表示を希望していたが、ライトコースでは制限があるため、絞り込んだ一覧をポータルに表示する方法を、アールスリーが提案した。

 三つ目は、車両マスタ、従業員マスタ、乗務員の健康管理、車検証など、紙や複数のスプレッドシートで管理していた情報の集約だ。外出先でも、車検証のデータを確認してダウンロードできる。車検期限は、「来月の車検」という検索条件での一覧表示、絵文字、メール通知で把握できるようにした。このほか、ツアー管理アプリも作った。

 これらのアプリケーションにより、情報を探したり、人に確認したりする時間が1日約1時間、月約30時間、年間約360時間の削減になると試算している。書類が見つからないストレスや、確認を忘れていないかと気にする負担も減った。決められた項目に沿って登録するため、個人の整理能力に左右されず、会社として同じルールで情報を管理できる。一般社員にはデータを削除できない権限を設定し、誤操作によるデータの消失も防いでいる。

 浅川範仁社長は「自社の業務を一番よく知っている私たちと、kintone開発のプロであるアールスリーが一緒につくる。だからこそ、専門知識がない私たちでも、自社専用の仕組みを実現できた」と話している。

ニュースリリース