ジェイテクトギヤシステム、ERP刷新で全社業務を最適化 データ一元化で経営判断を迅速化

2025年11月25日18:08|ニュースCaseHUB.News編集部
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 ジェイテクトギヤシステムは、全社業務の最適化を目的に、SaaS型ERP「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」を採用した。6月11日、同システムの導入を支援するフリーダムとSAPジャパンが発表した。部門ごとに個別最適化されていた業務プロセスとシステムを刷新し、データの維持管理にかかる工数を削減する。リアルタイムデータに基づく迅速な経営判断ができる体制の構築を目指す。

 ジェイテクトギヤシステムは1958年創業の自動車部品メーカー。ハイポイドギヤ歯切盤の国産化に成功した技術力を持ち、長年にわたり自動車産業を支えてきた。一方で、歴史ある企業ゆえに業務やシステムが部門ごとに個別最適化されており、全社的なデータの一元化が進んでいなかった。そのため、データの維持管理に膨大な工数を要し、迅速な経営判断が困難だったほか、属人的な作業が多く組織の硬直化を招いていたことが課題となっていた。

 こうした課題を解消するため、同社はERPに搭載された標準機能に合わせて業務を変える「Fit to Standard」手法の採用を決断した。カスタマイズを最小限に抑えることで、運用工数の削減や、クラウドサービスのメリットである最新機能への追随を容易にする狙いがある。

 導入パートナーにはフリーダムを選定した。同社が提供する独自のオンライン学習システムを評価したためだ。このシステムは、ユーザー企業が自ら業務改革を推進できるよう支援するもので、標準機能や周辺システムとの連携を含めた業務プロセス全体を体系的に学習できる。これにより、ユーザー自身が業務変革を主導することで開発工数やコストを削減し、一般的なプロジェクトと比較して期間を2分の1から3分の1に短縮できる点を重視した。

 プロジェクトは2025年3月から開始されており、フリーダムが上流コンサルティングからシステム構築までを担当している。独自開発が必要な機能については、SAP Business Technology Platformという別基盤上で開発を進める方針だ。

 ジェイテクトギヤシステム取締役経営企画統括部長の出原泰裕氏は、「ERPに搭載されているベストプラクティスに既存業務を適合させるFit to Standard手法を採用した。運用工数の削減や最新アップグレードへの迅速対応などクラウドの利点を最大化し、持続可能性の高いビジネスプロセスの全体最適化を目指したい」としている。

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