赤城乳業、クラウドERPへの全面移行でデータ駆動型経営の基盤を構築

2026年5月12日23:02|ニュースCaseHUB.News編集部
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 赤城乳業は、基幹業務システムの刷新を目的に、SAPのパブリッククラウドERP「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」を採用し、全モジュールの本稼働を開始した。5月12日、導入を支援したフリーダムとSAPジャパンが発表した。食品業界特有の高速・大量物流を維持しつつ、将来のAI活用を見据えたデータ駆動型経営への進化を目指す。

 赤城乳業は「ガリガリ君」などの人気商品を展開するアイスクリームメーカーで、夏季には1日数千件規模の受注・出荷を処理する高速なサプライチェーンを運営している。従来は大規模なカスタマイズを施したSAP ERPを利用していたが、今後の事業成長やデータ基盤の整備を背景に、システムのモダナイゼーションが課題となっていた。

 今回のプロジェクトでは、ERPの標準機能を最大限に活用する「Fit-to-Standard」の考え方を採用した。一方で、食品業界特有のリベート処理や外部システム連携といった業務については、ローコード開発ツールのOutSystemsやASTERIA Warpを用いた「Side-by-Side」アーキテクチャで構築。これにより、ERP本体をクリーンな状態に保ちながら、独自の業務要件にも柔軟に対応できる環境を確立した。

 システム移行に伴うリスクを抑えるため、段階的なリリース戦略をとったことも特徴だ。まず業務スコープの小さいホールディングス会社から稼働を開始し、その後、事業会社、物流、営業領域へと順次拡大することで、2026年1月に全モジュールの本稼働を達成した。

 今後は、外部データを統合するデータレイクを構築し、分析ツールのSAP Analytics Cloudと連携させる計画だ。従来のレポート中心の管理から、リアルタイムダッシュボードによる分析環境へ進化させ、現場主導の迅速な意思決定を支援する。

 赤城ホールディングス取締役財務本部情報システム部部長の吉橋高行氏は、「今回の移行は当社の成長戦略を支える重要な一歩だ。現場の業務スピードを損なうことなく、将来のAI活用やデータ経営への基盤を整えることができた」とコメントしている。

ニュースリリース