湖南広域行政組合は、自治体の「三層分離」に対応したセキュアな情報連携基盤の構築を目的に、ラネクシーのデバイス制御ソフトウェア「RunDX」を採用した。5月12日、ラネクシーが発表した。LGWAN接続系とインターネット接続系の間で行われるデータ受け渡しにおいて、利用者やデバイスを限定した厳格な制御を実現し、運用の安全性を維持しながら業務の円滑化を図る。
滋賀県内の4市(草津市、守山市、栗東市、野洲市)が消防・衛生・保健分野の事務を共同処理するために設立した湖南広域行政組合では、ネットワーク分離環境下でのデータ受け渡しに課題を抱えていた。2009年から外部デバイス制御ツールを導入していたが、従来のツールが最新OSに対応できず、端末更改に伴い業務に必要なデータ移動まで制限される事態が発生していた。その結果、一時的な媒体開放や人手を介した迂回対応が常態化し、現場の負担増と業務効率の低下を招いていた。
また、2021年に発生した情報漏洩インシデントを受け、全端末へのデバイス制御適用やホワイトリスト方式への統一など、運用の厳格化が急務となっていた。こうした背景から、同組合はツールの刷新を検討。最新OSへの完全対応に加え、国産ベンダーによる充実したサポート体制、直感的な操作性、ライセンスコストの優位性を評価し、RunDXの採用を決定した。
2025年10月の本稼働開始により、組合が管理する特定のUSBメモリのみを許可するホワイトリスト運用を維持しつつ、安全なデータ受け渡し環境を確立した。職員が他の端末や担当者を介さずに必要なデータ移動を行えるようになったことで、業務効率が向上し、現場のストレスも解消された。管理者側も、管理コンソールによる一元管理や詳細な操作ログの取得が可能となり、問い合わせ対応の削減と万が一の際のトレーサビリティ確保を実現している。
今後は、救急搬送時におけるマイナンバー照会などの新たな行政サービスの展開を見据え、マイナンバー系ネットワークへの導入も検討する方針。同組合総務部総務課課長補佐の港弘好氏は、「セキュリティの確保は前提とした上で、現場の負担を増やさずに運用できる仕組みが必要だった。RunDXは当組合のIT基盤を支える重要なインフラとして期待している」としている。