ニセコ町とニセコ町地域公共交通活性化協議会、マクニカは、北海道ニセコ町内を巡回する自動運転EVバスの実証実験を開始した。7月17日、マクニカが発表した。観光客の増加や深刻なドライバー不足に対応する持続可能な公共交通モデルの構築を目指す。町民や観光客の移動利便性向上、環境負荷の低減を検証し、将来的な本格運行を見据える。今回の取り組みにより、移動手段が限られていた地域における二次交通の選択肢を増やし、人手不足に左右されない安定した地域公共交通ネットワークの確立につなげる。
北海道ニセコ町は、国内外から多くの観光客が訪れる国際的なリゾート地である。しかし、少子高齢化の進行による公共交通の担い手不足や、観光シーズンにおける移動需要の急増への対応が課題となっていた。特に、限られた地域資源の中で効率的に町内を巡回し、住民の生活路線と観光客の移動手段を両立させる新たな交通システムの構築が急務であった。
こうした課題を解決するため、同町らはマクニカの支援のもと、自動運転技術を搭載した電気自動車(EV)バスを採用した。マクニカは自律走行システムのインテグレーションや運行管理システムの提供など、スマートモビリティ分野の実績を持つ。今回の選定では、地域の環境配慮に合致するEV車両である点や、自動運転による将来的な省人化への期待が決め手となった。
実証実験では、ニセコ町内の主要施設や観光拠点を結ぶルートを設定し、実際の交通環境下で自動運転EVバスを巡回走行させる。運行を通じて、センサーやカメラによる周囲の検知精度、雪国特有の地形で生じる走行への影響、運行管理システムを用いた遠隔監視の安定性などを総合的に検証する。クリーンなエネルギーであるEVの活用によって、地域の脱炭素化を推進する効果も期待されている。
ニセコ町らは、今回の実証実験で得られた走行データや乗客のフィードバックをもとに、運行ルートやダイヤの最適化、安全性のさらなる向上を図る。今後は段階的に実用化へ向けた検証を進め、持続可能な地域交通基盤の構築に貢献していく。