つがる総合病院は、医療者と患者をつなぐ業務の効率化と医療安全の両立を目的に、Contreaの患者共創プラットフォーム「MediOS」を採用した。7月17日、Contreaが発表した。複数診療科での一気通貫の運用や電子カルテとのシームレスな連携により、アナログな業務フローを抜本的に変革し、医療者が専門業務に専念できる環境の構築を目指す。今回の取り組みにより、従来の紙と人手に頼った説明から同意取得にいたる事務負担を軽減し、深刻な人手不足の中でも地域医療の持続可能な提供体制を整える考えだ。
つがる総合病院は青森県五所川原市にある公立総合病院で、病床数438床を有する地域医療の中核を担う二次救急医療機関である。同院が所在する西北五地域医療圏は高齢化率が39%に達しており、少子高齢化が急速に進行している。高齢患者や認知症患者の比率が増加する一方で、同圏域は全国的にも医師少数区域に指定されるなど深刻な医療人材不足という構造的課題を抱えていた。また、年間約3800件の救急搬送を受け入れており、予定外入院が全入院の半数を超えるなど日々の診療環境は極めて過密であった。
同院はこれまでも外部委託や医師事務作業補助者の配置など、雑務軽減のための人的リソースを整えてきた。しかし、地域の労働人口減少や求人難によりこれ以上の人員確保は物理的に限界があり、病院機能を維持するためにはICTの積極的な活用が不可欠であると判断した。従来の紙と人手による運用では、患者への説明から署名、スキャン、原本管理にいたるまでの事務負担が医療者の本来業務を圧迫していた。
こうした課題に対し、同院は部分的なデジタル化ではなく院内業務の流れそのものを大きく変えられるシステムとしてMediOSを選定した。MediOSは、手術や検査などの患者説明をアニメーション動画で再現する「動画説明」のほか、電子問診、電子同意書、メッセージ機能をワンストップで提供するプラットフォームだ。これらを一気通貫で運用できる点に加え、電子カルテとのシームレスな連携を実現できる点を高く評価した。
2026年3月より、入院案内をはじめ、小児科や産婦人科、泌尿器科などの各診療科において、動画説明、電子問診、電子同意書の運用が順次開始されている。導入にあたっては、現場を知る経営層自らがICTツールの必要性を共通認識として持っていたことや、デジタル関連の国の交付金を活用できたことが後押しとなった。
同院の事務部管理課課長補佐である高橋英靖氏は、地域の中核病院として、限られた人員で高い医療提供体制を維持し続ける必要があると指摘する。人手不足が深刻化する中でも患者への説明や問診、同意取得といった業務の質は落とせず、MediOSを自然に組み込むことで、働きやすい環境づくりと医療者や患者から選ばれる病院づくりにつなげていきたいとしている。今後は医療者がそれぞれの専門業務に専念できる環境を整え、人材確保や病院の経営改善にもつなげていく。